箱根

箱根山の地震活動、関東以外の地ではどのくらいの報道になっているのでしょうか? 少なくとも関東ローカルのニュース番組などではこのところトップニュースです。やはり東京の人にとって身近な観光地、泊まるもよし、日帰りもよしというところが人気なのでしょう。

あたし自身は、特に箱根にゆかりがあるわけでもなければ、特別な想い出や思い入れはありません。最後に訪れたのは、たぶん十数年前になると思います。上に身近と書いておきながら、あたしには、それほど行っていない地でもあります。が、身近と感じるのに嘘はありません。

いま、あたしの書店営業の担当の一つに小田急沿線があります。当然に月に何度も小田急線に乗るわけですが、ホームで電車を待っているときにしばしばロマンスカーを見かけます。町田などで停車しているのを見ることもあれば、通過していくロマンスカーを眺めることもあります。

あっ、ロマンスカーと何も断わらずに書いてしまいましたが、東京や神奈川在住でない方にはわからないでしょうか? 小田急の特急のことです。各駅停車、準急、急行といった種別としての特急ではなく、別料金を払って乗らなければならいものです。昨今の車両は荘でないものもありますが、ロマンスカーといえば運転席が二階にあって、だから先頭車両(と最後部車両)は大パノラマの見晴らし、それが売りの特急でした。

営業の途中にそんなロマンスカーを眺めると、「このままロマンスカーに乗って箱根にでも行って温泉につかりたいなあ」と思うこともしばしばです。特に週末の金曜日、書店回りも一段落して帰路に着こうかという時間帯、新宿から小田原・箱根方面へ向かうロマンスカーを目にしたときなど、特にその思いが強くなります。しかし、それを実行したことはありません。思い立って突然何かをする、というのが昔からできないたちで、きちんとあらかじめ計画を立て、旅館も予約して、そうして初めて出発できる、という人間なんです。

それはともかく箱根山の地震。箱根の人たちは風評被害を防ごうと必死です。東京や神奈川の人とか、箱根によく行っている人であれば大涌谷が箱根湯本駅からもそれなりに遠く、箱根と言っても広いのだということをよくわかっているので風評被害に振り回されることはないと思います。ただ、箱根というのは湯本あたりの旅館に泊まっていても、登山鉄道とケーブルカー、そしてロープウェーなどを使って芦ノ湖まで周遊するというのが一般的な楽しみ方です。小田急もそういう周遊パスを発売しています。ですから、その中のロープウェーが運休になっているということは、箱根での移動がかなり制限されてしまうのもやむを得ず、従って、箱根旅行をキャンセルする人が出てくるのも致し方ないと思います。(観光組合だけでなく、小田急電鉄も痛手でしょうね!)

地震活動や火山活動は人間の時間の尺度では気の遠くなるほどの長さで動いているものですから終息もいつになることやら……。仮にこのままはっきりしない状態が続いたとして、あるいは大きな噴火が起こったとしたら、年明けの箱根駅伝にも影響が出てくるのでしょうか?