休日のお楽しみ、映画鑑賞です。本日はこちら。
アメリカと南アフリカ合作の「サファリ」です。
内容を簡単におさらいしますと、カップル二組がロスから南アフリカへサファリツアーに出かけます。現地で一緒になった二組とともにガイドの運転する軽トラで国立公園へ繰り出し、野生動物を楽しみます。が、肝心のライオンが見られず、そこで気を利かせた現地ガイドが公園の外にまで車を走らせライオンを見せることにします。
しばらく車を走らせるとケガをした現地の少女が車に駆け寄ってきて助けを求めます。家族でいたところをライオンなどに襲われ、なんとか少女一人だけが助かったようです。一行は彼女を乗せて街の病院へ連れて行こうと引き返しますが途中で車が故障。直そうとしたガイドがコブラに噛まれ瀕死の重体、そしてじきに命を落とします。公園から出てしまったので人跡もまばら、そもそも帰り道もわからないサバンナのど真ん中。夜になるとハイエナなど野生肉食獣が車の周囲にやってきます。仕方なく死んだガイドを車外に放り投げると、ハイエナたちはきれいに平らげます。こんなところにいては自分たちもいずれ野生動物の餌食になってしまうと考え、一行は車を降り徒歩で安全な国立公園まで戻ろうするのですが……
映画を見ている限り、そんなに公園から遠く離れたところまで来ていたかな、という疑問がありました。見ていただけの感覚では、なんとか明るいうちに戻れそうな距離じゃないかと思ったのですが、とはいえ、右も左もどこまでも続く草原ですから、一度方向を失ったら終わりですね。地図も持っていないわけですし、ケータイも繋がらなくて。
さて、映画はここからじわじわと動物たちにやられていくだけの展開です。決して凶暴な殺人マシンと化した巨大生物が出てくるわけではなく、あくまでもごくごく自然の動物たちです。それがごくごくフツーに狩りをして草食動物を仕留めるように人間を襲いに来るのです。たぶん逃げ足速い草食動物よりも人間の方が仕留めやすいのでしょうね。でも食べられる肉があまりついていませんけどね、人間は。
映画全編は主人公たちが持ち込んだハンディカメラ、ビデオで撮っていたという、いわゆるモキュメンタリーです。動物に襲われる中でケンカしたり言い争ったりしながら一人また一人とやられていきます。ただ、動物に襲われるのではなく、勝手に崖から落っこちる、見つけたライフルを暴発させてしまって頭を打ち抜くといった、動物に襲われないで死んでしまうメンバーがいたり、ちょっと間抜けです。
そして、家族の中でただ一人少女が生き残ったように、この映画でもアメリカから来た観光客は全員食べられ、この少女だけが生き残り、託されたビデオを南アのアメリカ大使館に持ち込むというストーリーです。ああ、全員死んじゃうんだ、一人くらい生き残るかな、と思いましたが、そんな救いはなかったです。それにしても、この手のモキュメンタリーを見ているとかならず思うのは、どうしてあの状態でビデオを回し続けていられるのか、ということです。確かにそこを否定してしまったら、モキュメンタリー映画は成立しなくなってしまいますが、さすがにあの状況でもビデオを手放さないで撮り続けているというのは、そんなに自分が生きた証を残したいのでしょうか?