新業態が続々

昼前に、新宿の小田急百貨店にオープンする「STORY STORY」の内覧会へ行って来ました。

えっ、それって何ですか?

と思う方もいるかと思いますが、これは有隣堂の新しいお店です。今日が内覧会、明日が正式オープンです。あえて有隣堂を名乗らなかったのは、行ってみればすぐにわかります。これまでの有隣堂とはひと味もふた味も異なる店舗です。最近はやりのセレクトショップ的な本屋さん、と言ってしまえば身も蓋もありませんが、そこにカフェも併設し、ライフスタイル全般を自分なりにプロデュースするための手助けをする、そんなコンセプトなんでしょうか?

はっきり言ってしまうと、同じ場所に春先まであった三省堂書店とはまるっきり違います。什器が変わったとか、棚の配置が変わったとか、そういったレベルの変化ではありません。「前の本屋さんがなくなって、また新しい本屋さんができたのね。改装していただけかしら?」といった感覚で三省堂時代のお客様がこのお店に来たら驚くでしょう。もしかすると、「あれ、本屋さんはどこへ行っちゃったの?」と思うかも知れません。それくらいの違いがあります。

もちろん基本は本屋ですから、本もたくさん置いてありますが、品揃えはまるで変わってしまっています。ターゲットとしている客層が三省堂とは異なっているのでしょう。これが吉と出るのか凶と出るのか? 恐らく三省堂時代のお客さんの何割かは離れて行ってしまうでしょう。その代わり、三省堂時代には取り込めなかったお客さんを取り込めるのではないかと思います。その差し引きがプラスになるのかマイナスになるのかは、にわかにはわかりませんし、これからの運営でプラスにもマイナスにもできるのだと思います。出版社としては少しでもプラスにできるように応援するのが役割だと思います。

さて、明日オープンと言えば二子玉川もそうですね。「二子玉川ライズ」です。

えっ、あそこに本屋なんかオープンするの?

という印象をお持ちの方も多いかと思います。蔦屋家電というのがちょっと遅れて5月3日にオープンするのです。こちらは店舗名が家電となっていますが、やはりあのツタヤですから書籍も取り扱う予定だそうです。二子玉川には紀伊國屋書店、文教堂書店が既にありますが、これだけ大きなショッピングモールができると、さて人の流れが変わるのでしょうか? 紀伊国屋と言うよりも、玉川高島屋も戦々恐々なのでしょうか? それとも二子玉川という街の集客力が上がることによる効果を期待しているのでしょうか?

しかし、有隣堂といい、ツタヤといい、どちらもフツーの本屋ではないところが、この業界の厳しさを象徴しているのでしょうか? あっ、そうだ、国立のPAPER WALLにも行ってこないと!