自殺を考えたこと、あります

恐らくオタク以外の人は見ていないと思いますが、深夜にやっているAKB48の新番組「僕らが考える夜」は、テーマだけは重いものを扱っているようです。第一回目は「いじめ」、そして第二回は「自殺」について語り合うようです。

その自殺です。

日本は自殺率の非常に高い国だというのは既にあちこち報道されていますが、中でも中年サラリーマンの自殺率が高いようですね。長引く不景気に反比例するように周囲からの圧力は高まり、もともと仕事とは別に趣味を持つことの苦手な日本人では、自殺に走ってしまうのも理解できるところです。

でも、AKBの番組はこういった中年の自殺を取り扱うのでしょうか? それとも「いじめ」からの流れで中高生の自殺について語り合うのでしょうか? たぶん後者でしょうね。だって彼女たちでは中年サラリーマンの悲哀など理解できないでしょうから。

さて、自殺ですが、実はあたし、自殺してみようと考えたことがあります。こんな軽く書いては不謹慎と言われるかも知れませんが、あたしの場合、人生に悲観してとか、いじめられてとか、すべてが嫌になってとか、そういったことで自殺をしたいと思ったわけではありません。

じゃあ、なぜ、と聞かれたら、「死後の世界ってどういうところなのか知りたいと思ったから」、あるいは「死んだ後、どうやったらもう一度生き返ることができるのか実験してみたくなったから」と答えるしかありません。はい、単純にわからない世界に対する興味です。あくまで、もう一度こちらへ戻ってくることが前提です。

そんなことできるわけないだろう、と言われるのはわかっています。戻ってくる方法が確立していないから、あたしも実際にやってみることは躊躇っているのです。もし死んでも、確実に生き返ることができるなら、死んでみたいとは思います。いや、あたし以外にもそう思う人は大勢いるのではないでしょうか?

しかし、それが出来ないのであれば、やはり生きられるだけ生きていたいと思います。

あたしは小学校のころ、今で言う「いじめられっ子」でした。あたしの時代ですから、昨今ほどの陰湿さはなかったですし、クラス中から無視されるような感じでもありませんでした。とはいえ、それは昨今のイジメの実態を見聞きした上で、とうにそれを通り過ぎてきた今だからこそ振り返って言えることであって、当時のあたしの心は、現代のいじめられっ子の苦しみとさほど変わらないものだと思います。

中学、高校でも同じような感じで、「いじめられっ子」という表現よりも、むしろ「嫌われっ子」と呼んだ方が正確かもしれません。とにかく「他人は信じられない」「他人はきっと最後は裏切る」という考えが骨髄にまでしみこんだ学生時代でした。ただ、そういう時も自殺を考えたりしたことはありませんでした。クラスで嫌われていても、「自分は絶対にクラスの嫌な連中よりも長生きして、あいつらの存在しない世界を味わってから死ぬんだ」と思っていました。自分で死ぬことも考えず、だからといって嫌いなクラスメイトを殺そうとも思わず、いつか彼らが死ぬのを待つ、そういう発散の仕方、気持ちの処理の仕方をして自分を励ましていました。

最後の最後まで、誰よりも長く生き延びること、それが大事だと幼心に決意したのです。