北陸新幹線の開業と、トワイライトエクスプレス、北斗星の終了。鉄道ファンには大きなニュースであると共に、なんとなく時代が変わったなあと感じるニュースでもあります。
「狭い日本、そんなに急ぎでどこへ行く」という標語が流行ったのはいつのころだったでしょう? 確かに富山、金沢に関して言えば「行きやすくなった」と言えますが、これまでの上越新幹線越後湯沢乗り換え特急はくたかがそれほど不便だったかと言われると、数回利用したことありますが、「別にそれほどでも」という気がします。それでも「乗り換えなしで一時間以上の短縮」は大きいと思いますが。
でも、その金沢ですら北陸新幹線って一日何往復なんでしょう? 秋田新幹線や上越新幹線も実は意外と本数が少なくて驚きましたし、東北新幹線も仙台以北はやはり本数がグッと少なくなります。ふだん東海道新幹線ばかり乗っていると、それ以外の新幹線がどれだけ本数が少ないのか知る機会が少ないですが、結局その程度の本数で十分なんですよね、需要から計算すると。
ですから、新潟県が文句を言っている上越妙高や糸魚川を通過するのも致し方ないと思います。もちろん、母方の故郷が上越市であるあたしにとって、上越妙高を素通りというのは残念な気持ちでもありますが、止まる新幹線もあるわけだし、と納得するしかないでしょう。
で、思うのは既存の新幹線の駅です。喩えは、日本人のどれだけの人が東京から新大阪までの東海道新幹線の駅名をきちんと順番通り、一つも漏らすことなく言えるでしょうか? たぶん、一割、二割程度の人しかいないのではないでしょうか? いや、それだけいればかなりの好成績だと思います。となると、東海道新幹線以外の新幹線となると正答率はもっと下がりますよね。
その程度しか知られていない新幹線の駅って、どれだけの人が利用するのでしょう? そう考えると、そもそも駅を作る必要があったのかという根本的な問題が出てきてしまうのは仕方ないと思います。そうそう、東京では埼京線が出来たとき、大宮・赤羽の方から来た埼京線は池袋の次は新宿まで止まりません。途中の高田馬場駅周辺の商店会か何かが、埼京線を高田馬場にも止めるような運動をしていたのを思い出します。結局、今にも至るも実現せず、いまもそんな運動が存続しているのか知りませんが、あの短い距離で高田馬場にも止める必要は誰が考えてもありませんよね?
新幹線って主要都市を早く結ぶことが目的であるわけですから、そもそもは駅が少なければ少ないほどよいわけですよね。でも、それで沿線自治体の協力が得られないので、言われるがままに(特に政治家の圧力に屈して?)駅を作っていってしまったという大人の事情があったと思います。一度これをやってしまった以上、もう北陸新幹線だろうとこれからの新幹線だろうと、無闇に駅を作ってしまう悪弊は直らないでしょうね。
その際たるものがリニアではないでしょうか? あれこそ猛スピードで東京と名古屋・大阪を結ぶための特急なのに、どうして長野や山梨の田舎に駅を作って停車させる必要があるのか、あたしには理解できません。安全上、何キロおきに駅のような施設が必要というのであれば、それは作った方がよいでしょうけど、停車するか否かは別問題だと思います。
個人的に将来的な希望としては、九州の東海岸には新幹線を通して欲しくないということです。湯布院などは時間をかけて行くからよいところだと思うので、あっという間に着けるような交通手段は作って欲しくない、というのが本音です。「行きづらさ」を売りにするところがもっと増えてもよいのに、と思います。