一月

タイトルは「いちがつ」ではなく「ひとつき」と読んでください。

何がひとつきなのかと言えば、気を失って通勤途上の路上で倒れの上瞼を数針縫うようなことが起きてからちょうど一ヶ月なんです。2月と3月はカレンダーの曜日の並びが同じなので思い出しやすいのですが、あれから一ヶ月です。いま考えても、あの日、自分の体に何が起きたのか、実はくわかっていません。

その前の週末、ちょっと調子が悪くて、それでもその日の晩は五団体新年会という大事な行事もあり、それに会社に行けないほどひどい症状でもなかったので、愉しく新年会を乗り切れば、土日の休みでゆっくりして週明けには回復していると思い込んでいました。現に土日こそ少し熱が出ましたけど、日曜の晩には熱も下がり、月曜の朝はいつものように起き、家を出るときも、体の不調は感じていませんでした。ですから、中央線の中でもいつもどおり本を読んでいたわけです。

それが途中で気分が悪くなり、視界が狭まるとともにチカチカする感じで暗くなり、なんとかお茶の水に着いたはよいのですが、階段を上るときによろけ、手をついたりして、たぶん端から見たら酔っ払いがふらふらしていたように見えたでしょう。で、改札を出るまでの記憶はあるのですが、その次に覚えているのは改札から数メートル先の歩道に倒れている自分です。もちろん、倒れた瞬間に痛さで気づいたようで、自分で立ち上がって会社へ向かいましたから。。

それでも、いま思うと、ホームから電車が入ってくる線路に落ちたり、車が走ってくる車道に倒れ込まなくて、不幸中の幸いだったと思います。もしそんなことになっていたら、あたしはいまこの時、こうしてこの世に存在していかったのでしょうね。そう考えると本当に怖いです。それに、今後は二度と今回のようなことが起きないとも限らないわけですし……