なにを一緒に並べるか?

『クリミア戦争()』が配本になりました。

 

クリミア戦争って、名前くらいは聞いたことがあるけれど、どことどこが闘った戦争だか知っていますか? 日本が加わっていませんから、この質問への日本人の正答率はかなり低いでしょうね。ただ、いまとてもホットな地域、クリミア半島のあたりで闘われた戦争なんだ、ということはわかると思います。手早く知りたい方はウィキペディアでもご覧ください。

さて、いま問題となっているクリミア半島情勢もここまで遡らないと理解できないわけなんです。そういう意味では、本書は歴史の本でもありますが、現代の海外事情の本という捉え方もできると思います。少なくとも、書店で「クリミア情勢を知る」なんてフェアをやるとしたら、本書は当然セレクトされるべき一冊、いや二冊でしょう。

さて、このクリミア戦争、時代的としてドイツでビスマルクが活躍していた時代です。ですから、まずはこんな本も並べてよいのではないでしょうか?

中公新書の『ビスマルク』です。新書ですからお手軽です。もう少し本格的なものを、というのであれば、こちらになります。

『ビスマルク()』です。力のこもった評伝です。

また参戦国の一つフランスではこの時代、ナポレオン三世がいましたので、文庫クセジュ『ナポレオン三世』や講談社学術文庫『怪帝ナポレオン三世』などはどうでしょう?

 

またロシア側はあまり文献がないのですが、戦争より少し前の人ですが、帝政ロシアに君臨した『エカチェリーナ大帝()』などはどうでしょう?

もう少し手頃なものは、というのであれば池田理代子のコミックもあります。

そして、案外忘れられそうですが、主役の一人、オスマン帝国も無視はできません。『オスマン帝国』や『オスマン帝国六〇〇年史』、『オスマンVS.ヨーロッパ』などがあります。

  

さらにオスマン帝国やアラブ世界について知りたい方には『アラブ500年史()』がお薦めです。

 

こうしてみると、クリミア戦争が「最初の世界大戦」「第零次世界大戦」と呼ばれるのも納得です。