幅が広いからこそのリアル書店

少し前に「リアル書店の可能性」として、イスラム関連書籍のフェアについて書きました。その時のダイアリーで紹介していた「アラブ世界、イスラーム社会を知る」というチラシで案内していたミニフェアの注文がここへ来て非常に伸びています。やはり書店の方、この話題には食いつきがいいですね。

で、このBOXこそ使っていないものの、ブックファースト青葉台店の人文コーナーで「イスラムを考える」というコーナーが作られていました。弊社の本も何冊か並んでいます。

よく見ると文庫も新書も単行本も並んでいますし、人文コーナーに置かれていそうな本でも硬めのものから柔らかめのものまであります。普段なら人文コーナーではないところに並んでいると思われる本もあります。こんな多様な物を同じ場所に並べる、これがまさしくリアル書店のアドバンテージなのではないでしょうか?

もちろん文庫や新書などの買いやすい本だけを集め、文庫・新書コーナーの一角でコーナーを作るのがやりやすい、売れやすい方法でしょう。それも書店の広さなどを考えたときにはアリだと思います。が、こういう風にもう少し幅を広げるとイスラーム社会にしても「イスラム国」にしても、あるいはキリスト教とイスラム教の歴史についても複眼的な思考が可能になるのではないでしょうか? 大型書店なら、こういうコーナーを作るスペースももっと広いでしょうから、更に多様な書籍を並べられると思います。ここへ来て緊急出版されたものだけでなく、もう何年も地味ながら売れ続けている、定評あるものも並ぶことでしょう。

そういう知を提供すること、これはネット書店では真似できない芸当だと思います。