国家哀悼日か……

南京大虐殺の記念式典を中国が行なったというニュース

とりあえず、南京大虐殺があったのか、なかったのか、被害に遭った人数はいったいどのくらいなのか、といった問題はおくとして、衆議院選挙を前になんというタイミングなんだ、と感じました。

歴史的事実がどうあれ、とりあえず12月13日がその日と言われているのは日本政府も知っていたはず。そして、このところの中国政府の言動を見ていれば、抗日戦争を対ファシズム戦として広く世界に訴えていこうとしていることも明らかだったはずです。つまり、この日に大々的に、何かしらセレモニーをやることもある程度は予想できたはずです。

別に嫌中派ということではなく、一般紙やテレビのニュースでも、この式典についてはごくふつうに報道される可能性は高かったでしょう。衆議院選挙の直前に、いかにも一部の日本のナショナリズムを刺激しそうな題材です。

「中国はまた嘘を言っている」「歴史を捏造しているのは中国の方だ」的な言動が勢いを得れば、それはやはり投票行動にも陰に陽に影響を与えるのではないでしょうか?

中国側には日本の選挙に影響を与えようという考えはなかったと思います。むしろ、これによってようやく首脳会談が行なわれた日中関係がまた険悪になるような日本の空気や、そういう空気に乗っかった政治家が幅を利かせるようになるのは望んでいなかったはずです。もしそんな結果を招来するとしたら、中国の首脳陣はむしろ内心では「しまった」と思っているかも知れません。

逆に、中国がこういう式典を行なうことを見越して、そしてそれによって日本国内の空気が動いて、自分たちに有利に働くだろうと予想して、このタイミングに選挙をぶつけてきたのだとしたら、安倍政権そして自民党は大したものです。こういう式典の後では、やはり中国脅威論を唱える側に有利に働くでしょうから。

とりあえず、中国側の中日友好も訴える習近平の演説だったようですが……