国宝展なればこそ

小雨降る中、三連休初日の午前中、東京国立博物館へ行って来ました。開門の少し前に着いたのですが、既に門の前には長い行列が2種類。既にチケットを持っている人の列と、これからチケットを買う人の列です。

なんでこんなに並んでいるのかと言えば、それは国宝展が開催中だからです。とりあえず入場制限はしていないようですが、中へ入っても相当な混雑が予想されます。故宮博物展といい、日本人は並ぶのが好きですね。そして、おとなしく、真面目に並んでいるものです。これが海外から賞賛される理由でしょうか。

そんな中、あたしは国宝展には目もくれず、本館の「東アジアの華」を見に行きました。開園前に並んでいたとおぼしき数百人が一斉に平成館へ向かう中、一人本館へ向かいました。案の定、会場はガラガラ、誰もいません。あたしが見ている間に数名が入ってきたくらいです。じっくり堪能できました。ついでに本館の二階も一回り。こちらもお客さんはほとんどいません。こっちにも国宝とか重要文化財は並んでいるのですけどね……

こういう特別展の時にガラガラの本館に来ると、意外と多いのが海外の方です。たぶん日本人が大英博物館とかルーブル美術館を見学に行くのと同じような感覚で、日本の首都・東京にある博物館の名品を鑑賞しに見えたのでしょう。国宝展をやっていることなど知らずに来たのであれば、あの大行列に何事かと驚いたのではないかと思います。本館の通常陳列ですと入場料もそれほど高くはないはず。それにゆっくりと見られますので海外からの観光客にはよい目の保養でしょう。

でも、そういう光景を見ていて、ふと思いました。国宝展だからこそ海外の方に見てもらいたいなあ、と。これだけ混雑していると現実問題として難しいのでしょうけど、たとえば平日に「海外からの方限定観覧日」とかって設けられないものでしょうか? そんな風に感じます。もちろん、日本人だからこそ日本の宝をしっかりと目に焼き付けるべきでもあるのですが。

それにしても前にも書きましたが、今朝も並んでいる人を見ていて思いました。仕事を持っていない人(失業者という意味ではなく、もう定年退職している年輩の方という意味です)は、こういう休みの日ではなく平日に来てもらいたいものです。もちろんサラリーマンだって全員が土日祝日休みというわけではないですが、それでも大多数の会社員は平日には美術館や博物館などを見に行くことは難しい身の上です。そういう人がせっかくの休日にゆっくり見られるためにも、平日に行ける人は平日に行って欲しいなあと思います。

ここはやはり、曜日と年齢によって入場料に差を付けるしかないのではないでしょうか、ね?