アダムとイブ

アダムとイヴ 語り継がれる「中心の神話」』読了。日本人ですら、わが国の伊弉諾、伊弉冉よりもこっちの方に親しみを持っているというのは皮肉なものですが、こうして語られると、アダムとイブについても知らないことが多かったということがわかります。

著者お得意の美術から文学などにわたるアダムとイブ像の変遷を豊富な図版を交えて書いているのでわかりやすいことこの上ないですが、あえて言えば、せっかくの図版が小さすぎることでしょうか。図版によってはもう少し大きく載せてくれないと、本文で注目しているところがどこなのかよくわかりません。

個人的には、カインとアベルがアダムとイブの子供だったと初めて知ったり、さらにその二人の下にもう一人子供がいて、アダムがイブよりも先に死んでしまったことなど、キリスト教や西洋文化史に詳しい人なら常識のようなことをこの本で知りました。そして、なんとなく「エデンの東」は西でも南でも北でもなく、なんで東なのかわかったような気がしました。