三度なんて贅沢は言わない

夏ドラマが始まりだしています。特にこれといって注目の作品はないのですが、とりあえずTBS系の「同窓生」を録画して視聴しました。稲森いずみはカワイイなあと思いますが、取り立てて好きな役者さんが出ているドラマではありません。アラフォーの級友が同窓会をきっかけに再会して、というシチュエーションに期待しての視聴です。

まずは同窓会ですが、実はあたしは出たことがありません。正確に言いますと、同窓会の案内が届いたことがありません。嫌われていたの(?)と言われれば、たぶんそうでしょう、と答えられるくらい、嫌われっぷりには自信があります。自慢することではありませんが……

以前にもこのダイアリーに書いたかもしれませんが、中学に入ると小学校のクラスメートとは付き合うことなく、高校に入ると中学のクラスメートとは付き合うことなく、大学に入ると高校のクラスメートとは付き合うことなく、という学生時代を送っていて、大学時代にわが家は一家揃って引っ越しをしたので、その時点で高校までのクラスメートとは完全に切れてしまったのです。彼らからすると、あたしは行方知れずになっているはずです。

大学時代の友人も卒業後はほぼまるっきりつきあいがありませんので、あたしの場合、いわゆる「地元の友人」とか、「学生時代の仲間」というものは存在しません。社会人になってからは、すべてが仕事上で知り合った人なので、はっきり言えば「友達がいない」ということです。

で、学生時代のクラスメートについて付言すれば、あたしはかなり以前からウェブサイトをやっているので、そしてFacebookなどもやっているので、たぶん検索すればあたしを発見することは難しくないと思うのですが、これまで約20年近い期間で、かつてのクラスメートから連絡が来たことは2、3回しかありません。この一事をもってしても、あたしが嫌われていたこと、誰からも関心を持たれていなかったことは自明だと思われます。

さてドラマに戻って同窓会です。

そんなわけですから、そもそもあたしが同窓会に出席するということが考えられません。たぶん、この先も二度とないと予想されます。あたしの辞書に「同窓会」という文字は存在しないのです。

となると、このドラマのようなシチュエーションは訪れることはありえません。万が一、どこからかあたしのメアドなり住所を調べて同窓会の案内が来たとしても、たぶん欠席で返事を出すでしょう。いや、返事も出さず放置しておくだろうと思います。そんなあたしがこのドラマを見て楽しめるのでしょうか?

当時も今も、友達と呼べる対象もなければ、もちろん恋人なんてのもいなかったあたしですから、焼けぼっくいに火が付いて、という事態は考えられません。それに、もし同窓会があったとして、いまだに結婚もしてないのなんて、あたしだけではないでしょうか? ドラマのように離婚して独り身に戻っている人はいるかもしれませんが……

ただ、あたしだってもし同窓会があったら再会したいなあと思う子の一人や二人はいます。でも、誰もが悩むところでしょうが、果たして意中のその子が同窓会に来るのか否かです。その子が参加しないのであれば、同窓会に行く意味はほぼありません。いまさら当時のクラスメートに会ったからといって(男女を問わず)つきあいが復活するとは思えませんし、復活させたいとも思いません。はっきり言って面倒です。同窓会に行くか行かないか、それはひとえにこの点にかかっています。

それにしても、このドラマのサブタイトルは「人は、三度、恋をする」です。一度目が初恋、二度目が結婚相手、そして中年にさしかかるころ人生の転機となる三度目の恋が訪れる、ということのようです。あたしみたいに人生で一度も恋人がいない人間には、三度なんて贅沢です。とりあえず一回恋愛をさせていただければそれで充分です。