プラハを旅する

プラハという地名はもちろん知っていますが、だからといって具体的な何かがすぐ思い浮かぶわけではありません。北京なら天安門、上海なら東方明珠といった具合に、中国ならそこそこ思いつくものですが、ヨーロッパに関しては行ったことがないので、せいぜいテレビなどで見る程度の知識に頼って、ロンドンやパリ、ローマなどなら思いつくものがある程度です。

ですから、くどいようですが、プラハと聞いて思い浮かぶ景色はありません。そんな状態で過日読んだ『ゴーレム』は非常に陰鬱な雰囲気で、いつもジメジメしているような、あまり太陽の出ない街のような印象を受けました。

実は、この『ゴーレム』と前後して読んだ河出書房新社の『もうひとつの街』もプラハが舞台で、非常に街の空気、雰囲気がそっくりでした。作品世界が似ていると言った方がよいのでしょうか?

そんなわけで、プラハというと「陰鬱」というイメージを抱いてしまっています。ちなみに、まだ読んではいないのですが、大ヒット作『HHhH(プラハ、1942年)』もプラハが舞台なのですよね?

こうして見ると、このところプラハが舞台の作品って多いのですね。プラハというとカフカでしょうけど、カフカも決して明るい、カラッとしたイメージのある作家ではありませんよね。やはりプラハってそういう街なのでしょうか?

 

図説 プラハ』や『プラハ迷宮の散歩道』などを手元に置きながら、上掲の小説を読むのも面白いでしょうね。