コミック風(?)カンフー映画

WOWOWで香港映画「TAICHI」が放送されていました。二部作で、「TAICHI/太極 ゼロ」と「TAICHI/太極 ヒーロー」です。(三部作ということになっていますが、とりあえず第三弾の情報がないのと、パート2でなんとなく大団円になっているので、ここでは「二部作」と書きます。)

 

どんな映画かと言いますと、太極拳の創始者・楊露禅が太極拳を会得するまでの修業時代を描いた作品です。そこに、清末の世相を織り交ぜ、ジャッキー・チェンの映画にありがちな、「腐敗した清朝政府の暴政とそれに拳法で立ち向かう英雄」という図式になっています。

太極拳については、ウィキペディアを見ますと、その創始についてはいくつかの説があるようで、楊露禅が創始したという説も有力なものとしてあるようですから、この映画がまるっきり史実を無視したフィクションというわけでもなさそうです。とはいえ、ほぼ9割方はフィクションなんでしょうけどね。

楊露禅が陳家溝で修行したことは事実のようですが、果たして宗師の娘と結婚したのか、陳玉娘という娘(楊露禅から見たら妻)がいたのかどうか、ウィキペディアにはそのあたりのことまでは書かれていません。中国のサイトを見ればもう少し詳しいことがわかるかもしれませんが、この映画を楽しむのにそこまでする必要もないでしょう。

で、この映画ですが、パート2の「ヒーロー」の方は上に述べたような、これまであった清末が舞台のカンフー映画と同じテイストですが、パート1「ゼロ」の方は字幕の出し方が独特で、マンガを見ているような感じで面白かったです。実際、時々漫画というか劇画が挟み込まれ、こういう作り方って日本の映画にもハリウッドの映画にもないなあという気がしました。

さて、映画の主人公はジェット・リー同様、いわゆるハンサムと言うよりも憎めないタイプの青年です。たぶん、今後のカンフー映画のスターになっていくのではないかと期待できます。それよりも、あまり登場シーンは多くないのですが、この主人公・露禅の母親役でスー・チーが出ているんですよね。ついこの前までは娘役という感じだったのが母親役をやるようになったとは。なんとなく、コン・リーを思わせる雰囲気が漂っていました。

そして、そして、たぶんこの映画を観た男性であれば誰もがヒロイン、陳玉娘役を演じたアンジェラ・ベイビーに魅了されたのではないでしょうか? 映画の中では柴咲コウや堀北真希に見えるところが多々ありました。柴咲コウと堀北真希が似ているのかと問われると「ハイ」とは言いにくいかもしれませんが、少なくともこの映画の中のアンジェラ・ベイビーはそう見えるシーンやカットがたくさんありました。(写真はこちらのサイトをご覧ください。)

ただ、公式サイトのフォト画像ではもっとモデルっぽい表情をしていますめ。いずれにせよ、とてもきれいな女優さんです。近いところでは、6月から主演した「メモリー」という恋愛映画が公開になるようです。でも、ネットで「アンジェラ・ベイビー」と入力するとたちどころに「整形」という語が出てくるんですよね。この手の噂はよくわかりません。化粧一つでかなり変わりますし、整形と言ってもちょこっといじくるものから、原形を留めないようなものまでありますし……