本を選ぶ? 選べない?

午前中にちょっと買い物がてら、本屋さんへ行きました。妹のところの子供がこの春、小学生と幼稚園児になる(なった?)ので「何か本でも買ってあげるか」と思ったからです。

いや、思うことは少し前から思っていて、具体的にどんなものがよいか、本屋さんで実物を見てこようと思ったわけです。

自分の読みたい本を選ぶなら簡単ですが、他人に、それも幼い子供に買ってあげる本を選ぶのは簡単ではありませんね。あたしとしては、まずは漢字辞典、国語辞典あたりにしよう、という心づもりだったのですが、これも小学館、三省堂、旺文社、ベネッセ、学研などなど何社からも出ていて、どれがよいのか皆目見当が付きません。これが自分が買う漢和辞典であれば、とりあえず全部買おうという気にもなるのですが、まさかそういうわけにもいきません。とりあえず「版が一番新しいのがいいかな?」などと思いつつ、いくつか手に取って見てました。

出版社によっては子供が好きそうなキャラクターをあしらったものがありますが、せいぜいが函と表紙に使っているだけで、本文は通常版とまるっきり変わりませんので、これにどういう意味があるのか、大人目線では疑問です。でもちょうど売り場で作業をしていた書店員さんと話をしていたら、たとえそんなイラストでもそこに子供が興味を示して日常的に本を手に取ってくれるようになるのであれば大いに効果があると思えるようになってきました。そうです。本は手に取ってもらえなければ何の意味もありません。親戚の大人が子供に本を贈ってやったという自己満足でしかなかったら意味がないですから。

そんなアドバイスを受けつつ、次に感じたのは通常版と卓上版です。いくつかの出版社は国語辞典でも通常版と卓上版の二種類を用意していました。卓上版の方が一回りか二回り大きく、文字も当然大きくなっています。「これは見やすい!」と感じるのは老眼のある初老の人だけで、子供にとってはどちらがよいのだろうと思いました。これが高学年ならともかく、まだまだピカピカの小学一年生です。大きな辞典は扱うのに苦労するのではないでしょうか? そんな気もします。ちなみに、妹のところの姪っ子は幼稚園の卒園時に卒園祝いとして国語辞典をもらってきています。いま書いた卓上版の方です。ならば、これとセットの漢字辞典を買ってあげればよいかなとも思いますが、それがどれなのか、すぐにはわからず、またこれだけ辞典が並んでいると、「あれ、妹に見せてもらった卒園祝いの国語辞典はどれだったかな?」とわからなくなってきてしまいました。

続いて購入候補として考えているのは図鑑です。見て楽しめる図鑑は、国語辞典や漢字辞典以上に、子供も楽しんでくれるのではないでしょうか? ちょっとした世の中の疑問に答えてくれるような図鑑から、乗り物、動植物など、いろいろありますね。経済的に余裕があるのであれば、そういうものを全部揃えて買ってあげたくなりますが、ここは心を鬼にして(?)、なにかこれというものを一冊買ってあげようと考えているのですが、これもちょっと目移りしてしまいます。

先程、国語辞典の卓上版は重くて大きくて子供には扱いづらいのではと書きましたが、それを言ったら図鑑はそれこそ卓上版よりもっと大きくて重いですよね。もちろんポケット版のみに辞典もありますが、図版が命の図鑑でミニを選択するなんてありえません。ただ、図鑑って、物によってはかなり高いものもあります。「へえー、こんなにするんだ」というのが偽らざる感想です。

で、結局、何を買ったのと聞かれそうですが、実は買っていません。本日はとりあえずどんなものがあるか見ただけです。特に図鑑は、妹に、姪っ子たちが何に興味を持っているかを確認してからにしようかな、と思います。乗り物が好きなら乗り物図鑑、動物が好きなら動物図鑑、とまあ、そんなことを考えています。

あとは、どこで買うかも問題です。

妹一家は静岡に住んでいるので、たまに来たり、こちらから行ったりすることはありますが、そうそう頻繁に逢うわけではありません。本屋で買って持ち帰り、自分で荷造りして発送するのでしょうか? だったらアマゾンなどのネット書店で購入し、受取人を妹にしておけば発送の手間がかかりません。特に最近のネット書店は送料無料がほとんどですから、発送の手間も費用もかからずに済みます。

おい! それじゃあ、せっかく相談に乗ってくれて、アドバイスまでしてくれた書店員さんの気持ちはどうなるんだ! と責められそうですが、確かにそうなんですよね。ネット書店は本選びのアドバイスをしてくれるわけではありませんし、相談に乗ってくれるわけでもありません。読者レビューがありますが、あれはリアル本屋で言えば、棚の前で「この本面白かったよ」と友達同士で話している他のお客の声、くらいのものでしかありません。あてにもなれば、ならないときもある、その程度のものでしょう。

もし姪っ子と一緒に本屋に行ったのであれば、その場で子供が気に入った本を買ってあげるということもできますし、するでしょうけど、自分一人で選んでいると、どうしてもその後のことまで考えてしまって……

それにしても、妹の家にはほとんど本がありません。今の時代、リビングに文学全集や百科事典が並んでいる必要はないでしょうが、やはり小さい頃から本と触れあえる環境を用意してあげるというのも親として大事なことなのではないかと勝手に思っているあたしです。ちなみにわが家は学生時代からの流れで数千冊、もしかしたら万に届く本が所狭しと並んでいるので、姪っ子、甥っ子たちはわが家に来ると家に本があるというのはどういうことか身を以て体験できるわけですが。