効果は上がっているのか?

あたしの勤務先の書店営業は、エリアを分けて分担しております。そういう出版社が多いのだと思いますが、出版社によってはエリアや沿線ではなく書店チェーンごとに担当者を割り振っているところもあるようですが、うちはエリア・沿線別です。全国は大まかな地域ごと、首都圏は沿線ごと、という具合です。

その担当地区を、昨秋から少しずつ変更していったことは既にこのダイアリーで何度か書きました。ちょうど世間では新年度に当たるわけですが、特に新入社員が入ってくるわけでもないあたしの勤務先の場合、4月になったからというフレッシュさは社内に微塵も感じられませんし、回っている書店も多少の人事異同はあるにせよ、やはり毎年新入社員が入ってくるというところは稀ですので、お互いに新鮮さもなく仕事をしているような状況です。

別にそれが悪いというわけではありませんが、今回が担当地区変更も、あまりに長いこと同じ地区を担当していると慣れが惰性になり、宿痾がたまってくるようになり、これは出版社にとっても書店にとってもよくないことではないかと思います。それに書店営業たるもの、いろんな書店を見ておくことも大事です。そんなこんなで実施した担当地区変更jが、始めてからそろそろ半年になろうとしています。その成果や如何に?

このところ、社内の会議でも「担当が代わって、その成果が出ているのか」ということが話題に上ります。別に受注金額だけの問題ではありません。きちんと書店に顔を出し、書店の人と友好な関係は築けているか、ということです。

長いことある地区を担当していると活きやすい書店にだけ顔を出し、そうでない書店にはあまり顔を出さない、という悪循環も生まれます。顔を出さなくなった、その書店に行かなくなったのにはそれぞれ理由があるのでしょうけど、出版社の営業は書店を訪問してなんぼ、ですから、担当変更はよいきっかけになるはずです。いじめられっ子が転校を機に心機一転新しく学校生活をやり直すのと似たところがあると思います。そもそも、こちらが「あの書店には行きたくないなあ」と思う以上に、書店の人だって「某某出版の某某さん、あまり好きじゃないから早いとこ担当代わってくれないかなあ」と思っている可能性だって十二分にあるはずです。昨秋来のうちの担当変更が書店の方にどう思われているか、それはわかりませんが、少しでもよい方に向かっているのであれば嬉しいところです。

で、あたし自身の反省。

ようやく、どの書店も何回か訪問し、ある程度は書店の方も覚えましたし、書店の方に憶えてもらえたのではないかなと感じています。信頼できる営業と思われているかは自信がありませんが、不誠実なことはしていないつもりです。前任者よりも細やかなケアができているか、それもよくわかりません。「担当代わってからあまり来てくれなくなった」とだけは思われないようにしないといけない、とは思うもので毎月一回、少なくとも二月に一回はどのお店にも顔を出すようには心がけているつもりです。(逆に、旧担当地区で、「やっとあの人代わってくれたよ」と思われるのも、それなりに悲しいものですが……汗)

ただ、言い訳をしてはいけないのかも知れませんが、あたしが担当に代わってからだけでも一回、二回担当者が代わった書店もあります。特に年末年始やこの春先は書店の人事異動の季節なのか、担当が代わった書店も散見されます。そもそもこちらが担当変更を行なった秋の時期も人の異同がある時季ですよね。前任者と一緒に担当変更に挨拶に行ったとき会った人が次の訪問では代わっていた、なんてこともありました。こればっかりは仕方ありません。一から関係の作り直しです。

でも、営業に移って十年以上になりますが、ずーっと同じ地区を担当していたので、今回の担当変更は非常に新鮮な気持ちで取り組めています、あたし個人としては。久々に営業部に遷った頃の緊張感を味わっています。それが時に心地よく、ちょっとワクワクしながらの書店訪問になっていたりします。決して新卒の新人ではないので、見てくれの新鮮さは伝えられませんが、せめて気持ちのフレッシュさくらいは届けられたらと思います。

やはり、第一印象をよくできるように頑張らないと! 昔から第一印象が悪いと言われ続けてきているので……(だからといって、少し知ってもらえば印象がよくなるのかと問われても、「はい、よくなります」と自信をもって言えない自分が情けない!)