体罰? 先生、それは違います!

少し前にFacebookで卒業について書いたので、ちょっと学生時代のことを思い出しました。

いじめだ、体罰だと嫌な時代になりましたが、あたしが子供の頃、学生の頃は親や先生が子供を殴るというのは、それほど非難されることではありませんでした。確かに自分の感情のままに怒鳴り散らす先生がいなかったわけではありませんが、やはり先生や大人の言うことは正しいという漠然とした意識、子供なりの「自分が悪かった」という罪の意識もあったのでしょう。少なくとも現在のように体罰が問題になることはほぼなかったと思います。

が、あたしの中学時代はちょうどテレビの「金八先生」の放送が始まった頃で、全国的に中学が荒れていると言われていた時期でした。ご多分に漏れず、あたしの中学も、たぶん世間で言われていたほどの荒れ方ではなかったにせよ、それなりに不良やツッパリはいて、そういった時代の影響は受けていたと思います。

しかし、上述のように先生がそれなりに尊敬をされていたことも確かで、不良性とに対してビシビシ叱り飛ばしている先生が何人もいましたし、そういう先生に対してはそれなりにツッパリ生徒もおとなしくしたがっていたような気がします。この頃の先生というと、まだ軍隊上がりの先生がいた時代です。もう何年かするとそういう先生方も定年を迎えて現場からいなくなったのだと思いますが、あたしが中学の頃は旧日本軍出身の先生というのは何人かいたものです。

戦場での生き死にをくぐり抜けてきた先生というのは、やはり違うものがあります。生半可なツッパリ生徒には太刀打ちできない威厳というか、何かを持っていました。そういう先生の一人が、ツッパリ生徒が騒いでいるときに言い放った一言が、かなりの衝撃でした。

お前ら人を殺したこともないくせに、偉そうな態度とるんじゃねぇ!

すごいです。今どきの教師にはとても口にできないセリフです。しかし、一般生徒としては「ちょっと待ってください、先生! いくらなんでもそのセリフは間違っているのではないでしょうか?」という疑問がわいたことも事実です。ちなみに、その先生は欧米人について、風呂はシャワーだけで湯船につかることをしないのと肉食の生活だから体臭が強い、そのため香水という文化が発達したと述べた後、「それに引き替え日本人は無味無臭だ」と言いました。

欧米人の体臭についての発言も、今だったら人種差別で訴えられそうですし、そもそも事実の致命的な誤認があると思いますが、それよりも当時あたしたち生徒が衝撃を受けたのは後半部分です。「日本人は無味無臭?」って、無臭についてはなんとなく納得したものの、無味って何? 「先生、いったい、いつ、どこで日本人を食べたのですか?」という心の中で悲鳴が上がっておりました。