某某出版会

昨夜は人文・社会系出版五団体の合同新年会でしたが、この「人文・社会系出版五団体って何?」という人も多いのではないでしょうか? もったいつけるものでもないので正解を発表しますと、法経会、歴史書懇話会大学出版部協会、国語・国文学出版会、人文会の五つの団体のことです。どれも複数の出版社で作っている団体です。基本的に破損ジャンルの書籍の販売促進と普及を目的とした集まりで、大手出版社に比べるとどうしても営業力が劣るので、数社が一緒になって盛り上げていこうという思いもあります。

出版業界にはこの他にもいろいろ「某某出版会」というのがあり、どんなものがあるのか、あたしも詳しいことは知りませんし、果たして実際のところいくつあるのかもわかりません。あたしの勤務先では上掲の人文会とヤングアダルト出版会に入っています。その他、出版会とはちょっと性格が異なりますが、目録刊行会というのもあり、これもほぼ各ジャンルに存在している感じがします。

と書いているのですが、「こういう出版会はないんだ」と感じることも時々あります。たとえば、あたしの勤務先に引きつけて言えば「海外文学出版会(仮)」のような団体です。そもそも日本文学でも出版会って聞いたことないので(作家協会はありますが)、たぶん海外文学などはるかになさそうです。でも日本文学ならば(古典ではなく、あくまで現代作品)書店の王道ですので、わざわざ出版会を作って活動しなくても大丈夫なのでしょう。そういう見地からすると、海外文学出版会(仮)はあってもよさそうな気もしますが、ないですね。できそうな雰囲気もないですし。

次に思いつくのは「西洋史出版会(仮)」です。上掲の歴史書懇話会は歴史を名乗ってはいますが、基本的には日本史を得意とする出版社の集まりで、西洋史という感じではありません。あたしの勤務先などは逆に日本紙はほとんど出して折らず、もっぱら西洋史ばかりですから、そういう出版社が集まって出版会を作ってもよいのではないかなあと思うときがあります。とはいえ、あたしの勤務先の場合、出している本はほぼすべて翻訳物なので、日本人の著作を中心に出している出版社とはやはり相容れないのでしょうか? 業界にいてもこのあたりの加減ってわかりません。

個人的には「一冊あたり800グラム以上の書籍出版会」とか、「一冊あたり500ページ以上の書籍出版会」といった、ちょっとふざけた出版会があってもよいのに、とそんな風に思ったりしています。いや、これは出版会を作るのではなく、そういうテーマでフェアでもやった方がよいのでしょうか?