「五・四運動って何?」という人も多いかと思いますが、中国近代史の大きな事件であり、動きです。1919年に中国で起きた出来事です。きっかけは、さまざまありますが、その大きなものとして日本の対華二十一ヶ条要求があります。これくらいは日本史で教わった記憶があるのではないでしょうか?
日本にとっては負の歴史、今どきの言葉で言えば「黒歴史」かも知れませんが、知っておかなければならないことだと思います。
このとき、売国奴として学生たちに襲われた高官の一人を匿ったのが兆民の息子、中江丑吉です。中江丑吉は、あたしも学生時代に『中国古代政治思想』を読みましたが、とてつもない天才です。今際の際に「父には及ばなかった」との言葉を遺したと言われていますが、決してそんなことはない逸材だったと思います。