寝しなに『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』を一、二編ずつ読んでいます。なんとなく、かつて読んだことがあるような気がする文章です。でも、それが何だか思い出せません。
ところで、「掃除婦」って何でしょうね?
いわゆる企業などでゴミ箱のゴミを捨てておいてくれたりする「お掃除のおばちゃん」のような気もするのですが、本書を読んでいるとそうではなく、むしろ家政婦という感じがします。アメリカにだって、いわゆる家政婦っていうのは存在しますよね? あえて掃除婦と言っている著者の意志は奈辺にあるのでしょう? そんなことを思ったりしながら読んでます。
とはいえ、本書所収の各短篇の主人公は全部が全部同じ人物として描かれているわけではないようですし、掃除婦というわけでもない時もあります。やはり著者自身のことだろうなあと思いながら読んでいますが、その変幻自在なふるまいというか、たたずまいはおかしくもあり、したたかでもあり、生きることに対する力強さを感じます。