ねにもつ? 気になる?

朝、新聞を広げて驚きました。なんと、天声人語に岸本佐知子さんの『ねにもつタイプ』が載っているではないですか!

岸本さんなりのこだわりが満載の同書、とても面白く読んだ記憶が蘇ってきます。ちなみに、同書は筑摩書房の刊行物ですが、あたしの勤務先からも岸本さんの『気になる部分』という、これもまた抱腹絶倒の一冊が出ておりますので、ご興味のある方は是非どうぞ。

そんな朝日新聞の同曜日といえば読書欄です。

今回一番目を惹かれたのは閻連科さんのインタビュー記事です。少し前に『黒い豚の毛、白い豚の毛』が出たばかりの閻連科さん。これまで出ている、いわゆる発禁本とは異なる味わいの作品が多いかな、という読後感です。

あたしとしては、そんな中の一篇「奴児」が傑作だと思いました。これまたあたしの勤務先の刊行物ですが、閻連科さんの『年月日』に通じる味わいがあります。農民と動物という物語の骨子も共通しています。

河出書房新社のことですから『黒い豚の毛、白い豚の毛』はそのままいずれ河出文庫にするのかもしれませんが、個人的には『年月日』と「奴児」を併せて文庫化して欲しいなあと思います。