閻連科の新刊『黒い豚の毛、白い豚の毛』を読み始めました。
その巻頭の作品、書名と同じ「黒い豚の毛、白い豚の毛」ですが、主人公が30歳にもなって嫁もいないと嘆くシーンが何度か登場します。人生の半分も過ぎたというのにまだ嫁がいないなんてと、主人公はそれこそ人生の終わりだと言わんばかりに嘆いています。
しかし、そんなシーンを読んでいるあたしなど、既に生まれて半世紀をとうに過ぎ、それでも嫁をもらうことがかなわずにいます。嫁どころか、恋人すら、生まれてこの方盛ったことがないままの半世紀です。
あたしの境遇を知ったら、この作品の主人公も少しは勇気を持って生きていけるのではないだろうかと、そんなことを思いながら読んでいました。