昨日の「よんとも」はメモ帳を持参しなかったので、小橋さん、トヨザキ社長の軽妙なやりとり、ただ必死に聞くだけで何もメモを残せませんでした。返す返すもそれが残念です。
それはともかく、いくつか印象に残ったことと感想などを……
小橋さんが大好きな作家はエリザベス・ストラウトだそうで、昨日は短篇という縛りがあったので『何があってもおかしくない』を挙げていましたが、トークの中では姉妹篇と言ってよい『私の名前はルーシー・バートン』も是非読んでみてくださいと勧めていました。
またトレヴァーも挙げたのは『異国の出来事』でしたが、国書刊行会の《ウィリアム・トレヴァー・コレクション》はどれもお勧めとのこと。やはり好きな作家になると短篇長篇を問わず読みたくなるものなのですね。
そして欧米外にも優れた作家はたくさんいるという例としても挙がっていたのが『観光』のラッタウット・ラープチャルーンサップです。この中に主人公の「僕」が飼っている(父にプレゼントされた)ブタが出てくるのですが、そのブタの名前がクリント・イーストウッドです。そんなところでも人盛り上がりしたのですが、何の因果か、あたしの昨日のブラウスがブタ模様。イベント後にトヨザキ社長から開口一番「クリント・イーストウッドだ」と言われました。まさか、そんな話の展開になるとは思いも寄らず、不甲斐ない話ですが『観光』も未読なので単なる偶然でしかありません。狙ってチョイスしたのでしたらカッコよかったのでしょうが……
さて、既にTwitterなどでは小橋さんファンの方と見られる昨日の参加者の方の書き込みが賑わっていますが、いつもの「よんとも」に比べると会場の雰囲気がずいぶんと異なりました。いつもの「よんとも」はトヨザキ社長のファンやガイブン好きが集まるので、紹介された本も既に読んでいる人が多い印象でした。しかし、昨日は小橋さんのファンの方が多かったせいでしょうか、それほど海外文学に親しんでいない方が熱心に話を聞いている姿が印象的でした。
海外文学にこれまで触れてこなかった人に海外文学の面白さを広めたい、そういう「よんとも」の趣旨からすると昨日のイベントはまさに理想的な場になっていたのではないでしょうか。もちろん本好きな小橋さんのファンの方ですから、本に対する興味・関心はそれなりにあったようですので、あとはいかに海外文学へと導くか、その呼び水さえあればなだれ込むような方々ばっかりだったと思われます。
イベント後は、多くの方が紹介された本をレジに持って行っていましたし、複数冊購入されている方も多かったです。ガイブンの布教活動、大成功だったのではないでしょうか? あとは舞台でもドラマで映画でも構いませんから、小橋さんお気に入りの作品を是非小橋さんに演じていただきたいと期待しています。小橋さんが演じるのではなく、脚本や演出でも構いませんので、是非ともお願いします。