本当にストーカーなのか?

東京の三鷹での女子高生刺殺事件。ちなみに、多くの人が連想するJR中央線・三鷹駅ではなく、京王井の頭線の三鷹台駅の近くで起こった事件です。三鷹台は井の頭公園駅のお隣、井の頭線に沿って神田川が流れ、そこから北が杉並区なんですが、駅のある場所は三鷹市になるのです。三鷹市の外れの方です。

と語るあたしは、小学生の時から大学生の時まで、三鷹台から数駅、井の頭線の高井戸駅から徒歩5分ほどのところに住んでいましたので、若干は土地勘のある場所です。

ところでこの事件、いわゆるストーカー犯罪と言われています。数日前から自宅付近を徘徊し、挙げ句の果てには被害者の留守宅に侵入し帰宅を待って襲ったわけですからストーカー以外の何ものでもありません。女子高生が学校や警察に相談していたということですから、粘着質な男性像が目に浮かびます。

しかし、実際のところはどうなのでしょう? もちろん、今回の事件や事件に至るまでの犯人の行動を正当化するつもりはありませんが、まるっきり男性が悪くて、殺された女子高生がかわいそうなヒロインだったのでしょうか? もしかしたら、彼女はものすごい性悪な女で、この犯人の心をもてあそぶだけもてあそんで、ゴミのように捨てた、そんなことは考えられないでしょうか?

どうしてそんな風に思うかといえば、あたしが高校の頃に、やはり新聞やテレビで大きく取り上げられた事件が通っていた高校を舞台にあり、男子生徒が女子生徒を襲って自殺を図ろうとしたという顛末なのですが、事件時代はそんなところにまで行く前に逮捕劇を迎えました。しかし、上のようなストーリーがテレビなどで報道されると、女子生徒は悲劇の主人公、男子生徒は自分の気持ちだけで突っ走ってしまった未熟な人間、といった感じで描かれました。

当時の事情をよく知るあたしなんかに言わせれば、むしろ逆で、女の方が性悪で、そんな女に引っかかってしまった男の方が被害者と言った方がよいくらいでした。もちろん、そんな女に引っかかる男が馬鹿なのよ、という理屈はもっともですし、それに対しては何も言い返せませんし、あたしもそう思います。

でも、描かれる人物像としては、マスコミで報道されたようなものとは正反対のこともある、という事例をみずから経験しているので、こういう事件を見聞きするにつけ、本当に女性が被害者なのか、女性の方に原因はなかったのか、という見方で事件を見てしまうのです。