『ライ麦畑でつかまえて』の舞台脚本を書いたので上演許可をもらいに行こうとサリンジャーを探す旅に出た主人公の物語、映画「ライ麦畑で出会ったら」が公開されています。年明けにはサリンジャー自身の伝記を映画化した「ライ麦畑の反逆児」も公開になりますので、サリンジャーフェアなどいかがでしょうか?
まずは新潮文庫の3冊、『ナイン・ストーリーズ』『フラニーとズーイ』『大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア 序章』です。
ビレッジブックス版『ナイン・ストーリーズ』は柴田元幸さんの新訳です。『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年』はサリンジャー作品の翻訳としては現在最新のものです。
『サリンジャー』は決定版評伝という謳い文句の一冊。ただし、来春公開の映画の原作は『サリンジャー 生涯91年の真実』になります。評伝はどちらも大著なので、もちろん読み比べもお薦めですが、もう少し気楽にサリンジャーの人となりを知りたいという方には『サリンジャーと過ごした日々』がお薦めです。
サリンジャー自身の作品ではありませんが、『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』『戦争PTSDとサリンジャー 反戦三部作の謎をとく』などもフェアのラインナップに加えると幅が広がると思います。
そして、そして、これを忘れてはいけません。『ライ麦畑でつかまえて』と『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の二冊。前者が野崎訳、後者が村上訳、是非読み比べてみてください。そして今回、しばらく品切れだった『キャッチャー・イン・ザ・ライ』単行本も復活です。
他にも関連書を挙げていけばきりがないですが……