上に政策あれば下に対策あり、下に対策あれば……

朝日新聞の社説にウイグル問題が……

このところウイグルの状況はあまりニュースで取り上げられることが少なかったので気にしていませんでしたが、相変わらず中国政府による弾圧、圧力は続いているようですね。社説の中にあるように、そもそも自由に取材をさせないというのでは検証のしようもなく、だからいくら中国政府が言い張ってもそこに説得力や裏付けを見出すことができません。

今日の朝日新聞には、これ以外にも香港まで延伸された高速鉄道の駅などで中国の法律が適用されることになり、一国二制度が骨抜きにされるという懸念を伝える記事もありました。

ただ単純に中国大陸へ旅行や仕事で出かける人の大多数にとっては、もともと当局に怪しまれるところはないのですから法律の法律だろうと香港の法律だろうと関係なのでしょう。だから、所要時間が短くなる今回の開通は両手を挙げて大歓迎なのだと思います。そんな風にジワジワと庶民を取り込んでいく中国政府のやり方は汚いとも思います。

民主派が抵抗しても、そんなことは織り込み済みで次の手を打ってくるのが最近の中国当局です。

更には、ローマ法王が中国にすり寄っているのではないか、といった記事もありました。これにはバチカン内外でかなりの反発や批判が起こっているようですが、記事を読む限り法王自身は関係修復に向けて一直線のようです。

これも中国大陸にいる信者を人質に取られているようなもので、結局は中国政府のやり方が巧いと言えるのだと思います。

この数年、否、十数年、中国政府は国際社会に対し非常に傲岸不遜になってきていると感じます。これまでの国際ルールを無視し、自分たちの好きなように振る舞って、最後は巨大市場と人口圧力にものを言わせて言うことを聞かせる、という戦略に見えます。欧米先進国も中国の巨大市場から閉め出されては大変と中国政府の顔色をうかがい機嫌を損ねないような対応に終始していると感じます。アメリカもまずは自国の利益、商売のことしか眼中にないトランプが大統領ですから推して知るべしです。

かつて中国が日本の国交を回復するにあたって、時の首脳であった毛沢東と周恩来は、悪いのは戦争を起こした日本の一部政治家や軍人であって、塗炭の苦しみをなめた日本国民は中国人と同じ被害者なのだというロジックで国民を納得させました。そのお陰なのか、「日本人は好きだけど日本政府は嫌い」という中国人は多いようです。

現在は日本でも、中国人は好きだけど中国政府は嫌い、という日本人が増えているのではないでしょうか? これだけ旅行者が増えている昨今、庶民レベルではお互いの国を訪問して親切にされたり楽しく嬉しい体験をした人も多いでしょう。が、こういったニュースになると途端に嫌悪を催させるようなことばかり……

2018年9月24日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー