結局どこも閉店してしまいましたよね

書店ガール7』を読み終わりました。

まだまだ続きが読みたいとも思いますが、ただ続きを書いたとしてもどんな展開が考え得るでしょうか? 沼津の小さな本屋のその後? やはり店長の職をなげうって東松島へ向かう?

うーん、それはそれでそれぞれに男女のロマンス的なストーリーは考えられますが、本屋の物語としては発展が考えられません。

残念ながら、スタートのペガサス書房にしても、今回の櫂文堂書店にしても、どんなに書店員が頑張ってもお店は閉店してしまいました。結果だけを追っていくと、結局本屋は閉店していくばかりな気がします。もちろん、今回も全国に千坪クラスのお店を数軒立ち上げる、なんていう展開も描かれていますが、至極あっさりと描かれているように、そこに物語を見出すことは難しいです。

そうなると、結局は「本屋は閉店するもの」という物語しか残らないのかな、と悲しくなります。

「いい本屋だったのに」という声は、ある書店が閉店になるたびに聞こえてきます。「だったら普段から、そこでもっと本を買ってればよかったんだ」という声も聞こえてきます。「いい本屋だったのに」という人に限って、そこで本を買ったことがなかったり、昔は買っていたけれど最近はとんとご無沙汰だったりするものです。

話を『書店ガール7』に戻しますと、沼津の書店も東松島の書店も、「自分一人、なんとか食えれば」のレベルでも数年もつでしょうか? 非常に疑問です。もちろん本以外の商材を扱うことによって利益を確保する、という方法を講じれば話は別ですが、それでも本屋を続けていけるほどの副業(?)ってあるのでしょうか?

主人公たちの奮闘はわかりますが、地方でどれだけ頑張れるのか、あたしは疑問です。やはり東京や大阪など大都市圏ですと周囲にそれなりの人口があるので細々と続けていくことは可能でしょうが、人もまばらな地方では……

そうなると、ことは本屋とか出版界とかの問題ではなく、都市と地方の格差、過疎の問題、限界集落をどうするか、そういった問題になってきてしまい、『書店ガール』ではないですね。前巻までの舞台のひとつであった常磐線の駅の書店にしても、地方の駅にあったらどうでしょう?

いや、地方の鉄道駅にはそもそも本屋なんかないですよね? 来る電車は一日に数本か十数本、乗降客数も数えられるほどでは、本屋でなくても商売にならないでしょう。

愚痴っぽくなってしまいましたが、東京一極集中を何とかしないと、本屋に限らずどんな商売も地方では成り立たなくなってしまいますよね。