子供のころ、知り合いに江戸っ子の人がいて、案の定「ひ」が発音できませんでした。どうしても「し」になってしまっていました。
江戸っ子が「ひ」を「し」と発音するのは有名な話なのかわかりませんが、東京育ちのあたしにとっては子供のころからの常識でした。
ただ、その人が「しいでる、しいでる」と発音していたので、幼心に「秀でる」は「ひいでる」ではなく「しいでる」だと思い込んでいました。これが「しいでる」ではなく「ひいでる」だと自覚したのは、かなり後になってからのことです。
なんでそんなことを思い出しかと言いますと、別に昨日今日思い出したわけではなく、社会人になって、仕事柄いろいろな外国語に触れるようになって、世界にはいろいろな発音があることを知ってから、折に触れて考えるようになっていたのです。
それにしても、口の構造が異なるわけでもないのに、どうして発音できる音とできない音があるのでしょう? フランス人には「H」の発音がない、というのも有名な話ですよね。「ホテル」は「オテル」になるんでしたっけ? 不思議です。
日本人が苦手な発音の代名詞のごとく言われる「L」と「R」も、それを発音し分けているアメリカ人からしたら、そもそも違うということを意識すらしないのでしょうね。
そんなことを、また最近考えていましたけど、何かきっかけがあったのかは思い出せません。