波及効果[続]

テレビや新聞で、2020年の東京五輪で活躍しそうな子供たち、小中学生アスリートを取り上げていました。種目によってピークと言える年齢は異なるのでしょうけど、だいたいの競技において、現在の小学生から高校生くらいが7年後のオリンピックの主役になるのは間違いないでしょう。

そんな子供たちを見ていて、ふと思いました。

ああ、そうか。この子たちって、生まれたときからインターネットが当たり前に通じていて、ケータイやスマホなんかも生活必需品のように使っている世代なのよね、と。

ケータイの普及でパソコンのスキルは若干落ちていると言われる今の若い世代ですが、そもそもそういった「機械」には子供の頃から慣れ親しんでいる子たちですから、われわれ大人が言うところの「苦手」とは違うでしょう。きっと、パソコンだってすぐに使いこなせるようになるはずです。

そんな世代ですから、本を買ってくれるのか不安になります。幸いなことに、日本では電子書籍があまり普及していないので、この世代といえども、小さい頃から本はタブレットで読む、ということにはなっていませんが、それでも7年後にはどうなっているかわかりません。つまり、そういう世代が増えてくると言うことですから、オリンピックに向けて、どんな本なら売れるのか、難しいところです。

で、昨日のダイアリーの続きですが、語学書も、たぶん、今もちょっとはサービスが始まっていますが、多言語の同時通訳サービスが7年後までには官民を挙げて、かなりのレベルで出来るようになっているのではないでしょうか? スマホ用のアプリもたくさん出ていそうな気がします。いや、7年後にスマホっていう機器が残っているのか、もっと思いも寄らないデバイスが発明されているのではないか、そんな気さえします。

そうなると実用書としての語学書市場はどうなっているうのでしょう? もちろん本を買ってまじめに勉強する人は7年後も存在するでしょうし、それほど減るとも思えません。ですから、あたしの勤務先みたいに、初級以降の学習者向けの語学書作りに大きな変化が来るとは思えません。しかし、初級者向け、特にオリンピックなどを当て込んだ簡単な会話本は、スマホ的なものに席巻され、まるっきり生き残る余地のない状況になっているのではないかと……

いや、そもそも中級向け以上の語学書だって、もっとスマホを使った効果的な学習方法が開発されて虫の息になっているかもしれないですし。