成人向けコミックと言っても決してエッチなものではありません

数日前の日経夕刊に「欧米漫画、親しみやすく」という記事が載っていました。

確かに、このところ岩波書店の『MARCH』を書店でよく見かけていましたので、欧米の漫画がようやく日本でもメジャーになってきたかなという印象は持っていました。

  

しかしこういう記事が出て改めて書店の店頭を眺めてみますと、『バンド・デシネ 異邦人』なども目につきます。

この手の漫画はどう見ても子供向けとは言えません。いや、子供でも読めないことはないでしょうが、絵のタッチやストーリーなど、普段読んでいるような日本の漫画、コミックとはまるで異なります。やはり大人向け、普通に本を読んでいる人をターゲットにしている漫画ではないかと思います。

「子供と言うよりは大人向けだよね」という感じのコミックは確かにこの数年、いやここ十数年、日本の作品でも増えてきましたが、欧米のものとなると、見かけるようになったのはまだこの数年かそこらだと思います。もう少し遡ってみますと、あたしが覚えているのでは『ペルセポリスⅠ イランの少女マルジ』『ペルセポリスⅡ マルジ、故郷に帰る』が早い事例ではなかったかと思います。

 

しかし、このところは刊行がずいぶんと増えているような気がします。そしてコミック売り場ではなく、多くが海外文学の棚に置かれています。コミックだろうと本だろうと、こういうところから海外の作品に興味を持ち、さらに進んで海外の文学作品やノンフィクションなどに手を伸ばしてくれる読者が増えることを期待しているのですが……