寝苦しい夜が終わって朝が来て、朝刊を取りに外へ出ると玄関先の縁石にこんなものが……
朝の5時半のことです。
薄羽ってこういうのを言うのでしょうか? きれいなのか、気持ち悪いのか、人によって感じ方はさまざまでしょう。あたしはここまで柔らかそうな蝉を見たことがなかったので、あたしは非常に美しく感じました。
あたしは昆虫にはそれほど詳しくはないのですが、この段階でどれくらいの時間が経っているのでしょう? 羽化って言うのでしたっけ? この感じだと、始まって1時間くらいってところでしょうか?
ただ、一生懸命さなぎから出てくる段階はもう終わっていて、あとは羽が乾いてくるのを待っているようですね。カメラを向けても微動だにしませんでした。
どうでしょう。かなり色がついてきましたね。羽も乾いてきた感じが見て取れます。それでもまだ生乾き感は残っています。飛び立つにはもうちょっとというところでしょうか。
で、小一時間後にはさなぎだけ残してもういませんでした、蝉はどこかへ飛び立っていきました。
と報告できればよかったのですが、あにはからんや、うちの母親が捕まえて腕に乗せて家の中へ連れてきました。
そんなことしてどうするの? 部屋の中飛び回るし、鳴き始めたらうるさくて仕方ないよ、と説得し、庭に干してあったタオルに止まらせました。
鳴きはしませんでしたが、しばらくすると旅立っていきました、今ごろは近所の木で鳴いているのでしょうか? とはいっても蝉の命は一週間、来週の日曜日には、彼(彼女?)はもうこの世にいないのですよね。
今回のタイトルは角田光代さんの『八日目の蝉』をもじったのですが、そもそも蝉ってこの日から数え始めるので正しかったのでしょうか? 土の中にいるときだって蝉は蝉ですよね? それとも別の名前ってありましたっけ?
ところで、この蝉の種類は何?