まずは前者。
「虐殺」ではなく「逆殺」とはどういうことかと言えば、つまりはある屋敷に悪魔が取り憑いていて、そこに住んで人間を次々に殺していってしまうというお話。こちらが殺すのではなく、逆に屋敷に殺されるから逆殺館なのかな、と解釈しました。
途中まではホラーではなくサスペンスなのかと思っていたら、悪魔憑きの話だったのでちょっと肩透かし。こういう超常現象に持って行かれると、あとは何でもありになってしまうのでやや興醒めです。悪魔によって殺されるのは大事な人を失った人だと途中で軽い謎解きがありますが、たいていの人は両親とか親戚とか友人とか、誰かしらを亡くしているはずですから、つまりは誰でも悪魔の餌食になりうるということ。そうでない主人公が活躍するのかと思いきや、主人公が一番悲しい思いを背負っていて、この屋敷とも因縁があるということですが、そこがストーリーに活かされているとは言えないですね。
4人殺すと悪魔が実体化するというのも唐突ですが、両親とバチカンから派遣されたエクソシスト二人を殺し娘に取り憑いた悪魔。こんどはその娘を悪魔とは知らずに誘拐した4人を殺してさらにパワーアップしようとしているのでしょうか? そのあたりの設定が今一つ理解しづらいです。
悪魔なので銃弾を止めて向きを変えることすらできるのに、簡単に鎖で縛られて動けなくなるなんて、ちょっとおかしいところは山盛りです。
続いては後者。
主人公は突然謎の一味に拉致され、人体実験のようなことをされます。彼らの目的もわからなければ、自分もどうなってしまうのかもわからない、そんな状態で半分以上が過ぎます。
結論から言ってしまうと、遺伝子操作によって人類を超えた、新しい種を生み出そうという実権集団のようです。しかし、なかなか優秀な遺伝子を持った実験材料が見つからず、拉致された主人公もそんな実験台の一人で、なおかつ彼らによればとても優れた遺伝子を持っているとのこと。
結局、彼女も実験によって新種に変わってしまい、一味は彼女の遺伝子を受け継ぐ息子にも食指を伸ばすのですが、間一髪、まだ人間としての理性、母親としての感情を残していた主人公が息子に逃げるように伝え息子は逃げ延びます。しかし映画はここでフィナーレ。続編があるような幕切れですが、この作品がヒットしていなければ続編も何もないでしょうね。
詰まるところ、二本ともちょっとわかりづらい作品でした。