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熱中症なのか、単に夏風邪なのか、それともたるんでいるだけなのか、理由はわかりませんが、昼頃から午後はずっと頭が割れるように痛いです。マクサルトの手を借りるのは我慢して、とりあえず市販の頭痛薬を飲んでみましたので、少し治まってきましたが……

いや、もしかしたら、こんな映画を見ていたからなのでしょうか?

 

REC/レック」、そして続けざまの「REC/レック 2」です。「」もあるようですが、ストーリーが続いていないらしいので、とりあえずはこの二作を鑑賞しました。

「1」と「2」は完全に前編、後編という感じのストーリーです。消防士の夜勤の様子をリポートするテレビの取材班が緊急出動の要請を受けた出動した消防士たちと共にあるアパートに向かいます。そのアパートでは住人の一人が奇声を発したというのです。ただならぬ声に消防だけでなく警察も出動し、他の住人はアパートの一階に集まっていました。

で、この後は奇声を発した住人がゾンビ化して襲ってくる、噛まれるとその人もゾンビになってしまう。アパートは防疫班か衛生局によって外から封鎖され、中の人は外へ出ることができなくなっています。とにかく、反発しながらも協力してなんとか活路を見いだそうと奮闘するアパート内の人を描いたのパート1です。

このパート1で不思議なのは、この手の事件なのに、早々とアパートが外から封鎖されてしまうという手際のよさです。伝染病のせいで感染した住人が奇声を発したかもしれないという可能性は考えられますが、警察や消防の到着とほとんど差がなく封鎖・隔離されてしまうなんて、もうここでそういうことが起こることがわかっていたみたいな段取りのよさです。

とまあ、こういう疑問を残したままパート2ですが、このゾンビ化の正体がわかります。パート1ではたまたま取材のため同行していたテレビカメラの目で見た事件でしたが、パート2は外から入ってきたSWAT隊の記録カメラから見た映像になります。

さて、保険局の役人らしい人をリーダーにSWAT隊がアパートに入ってきますが、保険局の役人の行動がどうもおかしいのです。中の人を助け出すというのではなく、何か別の使命を帯びているかのようなのです。ゾンビとの闘いの中、とうとうSWAT隊と衝突し、白状したところ、この人は保険局でもなんでもなく、バチカンから派遣された神父だったのです。

パート1の後半でバチカンが関わっているらしい悪魔払い事件の記事などが前ふりとして登場しますが、つまりはいわゆるゾンビではなく、悪魔に取り憑かれた人たちが発症して襲ってきているということです。そしてバチカンは密かにこのアパートの最上階で最初に発症した少女を隔離、監禁して、解毒のためのワクチンを作る実験をしていたわけです。神父はそのサンプルを持ち帰るために遣わされたわけです。

このアパートは、この秘密の実験を知っている人には以前から要監視のアパートだったというわけですね。そして、遂に悪魔が動き出した、発症して人を襲うようになったため迅速に隔離を行なうことができたというわけです。さらに、いかにも頭の悪い高校生みたいな三人組は興味半分で下水口からアパートに入り込んで自体をややこしくしてしまいます。

パート1はゾンビ映画、パート2はエクソシスト、そこにPOVの手法を加味して作ったのがこの映画です。二作とも、目の前の自体を少しでも解決しようとするよりも上層部の命令に従う役人に硬直した思考にはイライラさせられます。あの状況でも「命令がないとダメだ」的なセリフを言えるというのは、ある意味すごい精神力かもしれません。

それと、ああいう場面になるとそうなってしまうのかもしれませんが、どうしてみんなわめき散らすのでしょう。もっと落ち着いて話ができないものかと思います。そして、POV映画でこれを指摘してはいけないのかも知れませんが、どんな状況になっても決してカメラで撮り続ける根性には驚きです。ふつう、あんな状況になったらカメラは落とすと思いますし、録画なんてしてる余裕はないと思うのですがね。そういう意味では、パート2ではSWATのヘルメットに付いている記録用カメラの映像を使うとか、暗視カメラにすると見えないものが見えるようになるという「ワザ」を使うことによって、カメラで撮り続けることの矛盾を和らげようとする工夫が見られます。

既に公開されたパート3はこの続きではないようですし、パート4も間もなく公開されるみたいですが、パート3の続きになるのか、パート2の続きになるのか、まるっきり別の話になるのか、わかりません。ただ、パート2の最後で悪魔はアパートの外へ出られる(出られた?)みたいなので、あとはウィルス的な「悪魔菌」が街中にまき散らされるという展開は予想がつきます。そして、この映画がそこそこヒットするのであれば、何作でも続編が作られるのでしょう。