「大系」の次は「講座」?

先程、自宅に所持している中国古典関連の「大系」をご紹介したついでに、こんどは「講座」本を。

まずは左が「講座東洋思想」、右が「中国文化叢書」です。それぞれ東京大学出版会、大修館書店から出ていました。

東洋思想を謳う講座は他にもありまして、上の写真は「岩波講座東洋思想」、名前のとおり岩波書店から出ていました。

 

岩波書店からはさらに上掲左の「原典中国現代史」という講座本も出ています。これは現代史のさまざまな文献の現代語訳を集めたシリーズで、もともとは「原典中国近代思想史」というシリーズがあったのですが、それの発展的新装版という位置づけなのだと思います。上掲右の写真がその「原典中国近代思想史」で、函入りの本でした。

岩波書店では、他にも「岩波講座現代中国」が刊行されていました。こういった講座本、古書の場合は全巻セットで売られていることが多いですが、新刊の場合は一回買い逃すとなかなか後が続くなるものです。やはり毎月なり隔月なり、出たときに買っておかないと歯抜けになりがちです。

ところで、上の「原典中国現代史」の写真の一番右に写っている『中山優選集』に注目された方はいるでしょうか? いや、そもそも中山優を知らない人の方が多いですよね? ググってもたぶん出て来ない、あるいは同名異人がヒットするだけだと思います。

この中山優については、たとえば松岡正剛さんの文章で『虹色のトロツキー』によく出てくる満洲建国大学の教師だとサラッと書かれていますが、そんな時代の人です。戦後は亜細亜大学で教鞭を執っていた時期もあり、亜細亜大学の図書館には「中山文庫」という「故中山優(なかやままさる)元亜細亜大学教授が満州建国大学教授時代に収集された図書」のコレクションが所蔵されています。

2018年5月3日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー