明治書院の「新釈漢文大系」が全巻完結になりました。全120巻、刊行開始が昭和35年ですから、すごいものです。長い年月弛まず作り続けるということが、昨今の出版環境を考えるとどれほど大変なことか、ただただ畏敬の念を覚えます。
上掲のように、新宿の紀伊國屋書店3階人文書コーナーでは全巻完結のフェアをやっていました。これだけ並べているのは壮観です、図書館に来たような気がします。恐らくこうして全巻並べている書店など全国に数えるほどしかないのではないでしょうか? 写真を撮らせていただいて、ついでにパンフレットももらってきました。
あたしもこの大系には学生時代にお世話になりました。この種の中国古典の大系・シリーズについて、少し前に書きましたが、学生のころは完結していなかったので、「早く出ないかな」と首を長くして待っていた古典がいくつもありました。懐かしい想い出です。
上の写真はわが家の書架の一部。ご覧のように『史記』だけは数巻持っています。やはり学生時代に史記の時代を専攻していたので必要資料として買い求めたわけです。欠けているのは、学生時代にはまだ発売になっていなかったからです。この機会に欠けている巻を買い足そうかしら?
右の方には筑摩書房から出ていた『漢書』も並んでいますが、なかなかよい眺めです。この『漢書』はその後「ちくま学芸文庫」に収録されたのではなかったかと思いますが、それももちろん持っています。
で、話を明治書院に戻しますと、『研究資料漢文学』なんていうシリーズを持っています。こちらはその後「新装版」が出たようですが、あたしが所持しているのは最初の版です。
なんで買っていたのでしょう?
当時は高校の漢文の教師になろうと考えていたのでしょうか? いや、あたしは高校だろうと中学だろうと、教員免許を持っていませんし、学生時代も教職課程は履修しなかったので、そんな可能性は全くなかったはずです。やはり、自分の漢文力を高めるための資料として購入したとしか思えません。ただ、図版や資料がなかなか面白かった印象を持っています。