「臭い」と書くと「クサい」と読まれそうなので「香り」と書くわけ?

昨日の朝日新聞夕刊の記事です。

香水に関する記事です。

香水と聞くと大人の女性というイメージが子供のころにはありましたが、男性用もありますし、昨今では小学生の女の子も香水をつけている子がいるとか。

ませているとか、まだ早いとかって言うよりも、日本人って臭いに敏感になっているのでしょうか? 欧米で香水が発達したのは「肉食で風呂に浸かる文化がないので体臭がキツいから、それを紛らわすため」と聞いたことがあります。それに対して日本人は肉よりも魚で、風呂に入る習慣があるので欧米人ほど体臭はキツくない、と言われます。

この説が本当なのか否か、あたしは知りませんが、日本にだって古来、香道という文化がありますので、臭いに無頓着というわけではなかったと思います。さすがに香水のように体に吹きかけることはせず、匂い袋のような形で、あえて言えば「焚きしめる」という感じだったと思いますが。

ところで、いま「匂い袋」と書きましたが、「におい」という言葉には「臭い」と「匂い」という表記があって、たいていの日本人は「臭い」は「くさい」とも読みますから、「臭い」には「イヤなにおい」というニュアンスを感じると思いますし、「匂い」は「香り」に通じる「よいにおい」をイメージするのではないでしょうか?

さらに「よいにおい」とも書きましたが、よい場合には「におい」よりは「かおり」を使うことの方が多いような気がするのですがどうでしょう? 花の香り、花の匂い、どちらも言いますが、どちらかと言えば前者の方が多く使われているような……。それに後者の場合「花の匂い」と書いても「花の臭い」と書くことは稀ではないでしょうか?

と、ゴチャゴチャ書いてしまいましたが、文庫クセジュに『香水 香りの秘密と調香師の技』というタイトルがあります。ウェブサイトでは

エルメスの人気調香師による香りの手引書。香水の歴史、嗅覚のしくみから、調香師の訓練と仕事、香水の市場とマーケティング、知的所有権保護にいたるまであらゆる角度から解説。

とあります。調香師を目指す人だけでなく、香りや香水に興味がある方必携の一冊で、実は文庫クセジュの中でも隠れたロングセラー、ヒット商品なのです。