やはり傍観者であると実感

昨夜のイベントで購入した『福島第一 廃炉の記録』を眺めながら、TBS系の報道特集を視聴。ちょうど福島の問題を扱っているところでした。

西澤さんは原発に賛成でも反対でもなく、とにかく廃炉という作業をきちんと記録に残しておかなければならないという信念で写真を撮り続けているのだそうです。その苦労は、笑いながら軽く、半ば冗談めかして話されていましたけど、相当なものだったと推察されます。

あたし個人としては、東京でぬくぬくと電気を使って便利な生活を送りながらも、福島の現状に思いを馳せることもない日常です。それではいけないとわかってはいても何ができるわけでもなく、こういったイベントに足を運んで、たまには立ち止まって考える時間を持つことくらいしかできません。

報道特集を見ていて感じるのは、原発問題って沖縄の基地問題と似ているなあということです。厄介な問題を地方に押しつけて、札束で頬を叩くとまでは言いませんが、事実上お金の力にものを言わせて不満を抑え込み、そういったことの上で安穏な生活を送らせてもらっている東京の人間は何の痛痒も感じていない。あたしももちろんそんな東京の人間の一人です。

西澤さんの話の中で印象的だったのは、撮影の時にはフラッシュを使わない、望遠レンズを使用しないという点でした。前者は、現場の雰囲気を伝えるのに明るい光を使ってしまうのは余計なことであるという判断だそうで、後者は、望遠レンズを使うと傍観者の視点から撮った写真になってしまうからだそうです。

そして福島の廃炉作業、現在でも数千人の方が働いているそうです。かなりの人数の人が関わっているは思っていましたが、それほどの人数だったとは知りませんでした。そんなところにも、自分自身の不勉強さ、福島を他人事と考えている自分の姿勢が垣間見られます。

話を聞きながらふと思ったのですが、来年退位される天皇陛下。退位後は現在の皇太子一家が住んでいたところを改装して住まわれるというような報道を聞きましたが、もし飯館村とか双葉町に住むと言い出したら、政府や東電はどう対応するのでしょう?

あたしは震災直後から、本当に復興を考えるのであれば、期限を5年とか10年と区切って首相官邸や国会議事堂を福島へ移転させるべきだったと思っていましたし、周囲にもそんなことを話していたのですが……。それくらいしないと政治家だって、あたしと同じように当事者意識をモテないのではないかと思ったからです。

そして、明日が3月11日。