これで一通り電子化されました?

知人のSNSで知ったニュースです。朝日新聞の名古屋版で2月に掲載された記事のようです。なんと、愛知大学の『中日大辭典』が遂に電子化される宋です。

振り返ってみますと、あたしが学生のころ、中国語辞典と言えば光生館の『現代中国語辞典』が主流で、岩波の倉石辞典は癖があり、愛知大学の大辞典は文学作品を読む人向き、という評価でした。中国語を学ぶ学生は光生館を買うしかなかった時代です。

その後、あたしが卒業のころになって小学館から『日中辞典』が発売され、その後『中日辞典』も姉妹版として刊行され、光生館独占の中国語辞典の世界に風が吹いたのです。

その小学館の『中日辞典』『日中辞典』は既に電子化され、スマホアプリとなっています。確か最初はCD-ROM版が発売されたのだと記憶しています。辞典・事典はCD-ROMで使う、そういう時代でした。

さて、小学館の辞典が出たとは言え、英和辞典などに比べ選択肢がまだまだ貧弱な中国語辞典の世界。あたしが就職したのは伊地智辞典と呼ばれる『白水社中国語辞典』の編集をするためでしたが、同辞典も既にウェブで使えるようになっています。

それが「weblio」という辞典サイトです。いろいろな辞典が引けますし、これもスマホアプリが配布されています。

伊地智辞典が刊行されたころは、中国語辞典の発売ブームと呼んでもよいような状態で、講談社や角川書店からも本格的な中国語辞典が刊行され、少し遅れて東方書店からも中日辞典が刊行されました。これらの辞典も、スマホアプリとまでは行きませんが、何らかの電子化はされているのではないでしょうか? これだけ電子媒体で出てしまうと、紙の辞書が売れなくなるのも当たり前ですね。

さて、上述の小学館のアプリですが、Android版は同辞典の第2版が電子化されたもので、最新の第3版は電子化されていないようです。しかし、iOS版は上掲のように第3版のアプリが昨年リリースされました。Android版のリリースが待たれます。

2018年3月8日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー