朝日新聞に、代々木上原の幸福書房のことが載っていました。街の本屋が消えゆくのは今に始まったことではなく、幸福書房だけの話ではありません。
それにしても、本屋が消えるというのは、都会だろうと田舎だろうと、多くは出版不況にその原因が求められるわけですが、東京の場合、それにプラスして家賃の上昇というのも見逃すことはできません。
「儲かっているというほどではないけれど、なんとかやっていけてます」という本屋が、次の契約更新で家賃の値上げを言われ、そんな家賃ではとてもやっていけないから廃業、という事例、この十数年、東京では増えています。いま東京は空前の建設ラッシュで、都心部でも再開発があっちこっちで行なわれています。「○○ヒルズ」なんて名前の商業施設がこれからも増えるようですが、そういう商業施設に書店が入ることがほとんどなくなりました(涙)。
10年くらい前までは、「こんどできるビルに入るのは紀伊國屋かな? それともくまざわ書店かな? あるいはジュンク堂?」といった会話が出版社の間で交わされたものです。しかし、このところ「こんどできるビルに書店は入るの?」というのが決まり文句のようになってしまいました。哀しい現実ですね。
というわけで、どんどん消えていく書店とは裏腹に、ますます伸びそうなのが著作権。ディズニーを守るため、と言われることが多いですが、実際のところ、子や孫が潤うほどの著作権収入が発生する作家なんてほんの一握りだそうです。ディズニーなどはもう人類共通の遺産でよいのではないかと思いますが、ダメなんですかね?