承前であり、承前々でもある?

前のダイアリーで亜紀書房の創業50年について触れましたが、このところ良質なノンフィクション作品を世に送り出している(もちろんそれだけではないですが!)同社で最近店頭でひときわ目を惹かれたのがこちら。

イスラム国 グローバル・ジハード「国家」の進化と拡大』です。全部を知っているわけではありませんが、亜紀書房ののフィクションとしてはかなり高めの価格で、それに見合うだけの厚みもあります。これぞ決定版的なノンフィクションです。

 

が、イスラム国ならあたしの勤務先だって負けてはいません。亜紀書房のお隣に、あるいは近いところにこんな本はどうでしょうか? 『ブラック・フラッグス(上・下)』は、ザルカウィの生い立ちからバグダディのカリフ制宣言まで、ISの変遷と拡大の背景を描いたピュリツァー賞受賞作です。

  

まだまだありまして、『21世紀のイスラム過激派』は、イスラム原理主義組織の成り立ちや歴史的背景から、組織に属さない「ローンウルフ」の若者まで、過激化するメカニズムを解き明かした一書、『「イスラム国」の内部へ』は、初めてIS領内を取材した西側ジャーナリストによる、戦闘員や警官、医師へのインタビュー、民衆の生活の記録など第一級のルポです。『危険な道』は、世界の諜報機関さえ居場所を知らなかったアルカイダ幹部と48時間にわたって過ごした元アルジャジーラ記者が9.11の真相を語ります。

そして、直接にイスラム国を扱ったものではありませんが、いまとなっては歴史的名著とも言える『倒壊する巨塔(上・下)』もお忘れなく。