あえて大日本雄辯会なんて書いてしまいましたが、大手出版社・講談社のことです。大手総合出版社ですから、講談社と聞いてイメージする出版物は人それぞれだと思います。
あたしにとっては、最近は学術文庫と現代新書のイメージが強いですが、かつては中国ものも精力的に出していました。あたしの書架からそれらをご紹介いたします。
まずは上の写真の「中国の歴史」(全10巻)です。これは中国の通史としてはよく出来ています。当時の一線級の方々が分担執筆されていて、最新の学術成果なども盛り込まれています。
上の「中国の歴史」が多少の図版はあるにせよ、ほぼ文字ばかりの草書だったのに対し、この「図説・中国の歴史」はそのビジュアル版といったものでした。判型も大きく、豊富な図版がたくさん載っています。考古発掘成果なども可能なかぎり載せてくれています。
これらは日中国交回復に伴う友好、蜜月時代の成果でしょうか?
上掲二つの「中国の歴史」が既に品切れになって久しい講談社でしたが、21世紀になって新しい「中国の歴史」を刊行し始めました。それが上の写真のシリーズです。時代を反映してなのか、もう函入りではありません。
そして、現在刊行中なのが上の写真の「東アジアの近現代史」のシリーズです。中国だけでなく東アジアに対象を広げています。最近は大陸横断、文明横断的な手法が花盛りで、アジアも日本史、中国史、朝鮮史などとバラバラに研究しているだけではダメな時代になったのですね。そんな成果を取り入れたのがこのシリーズになります。
ところで講談社の中国ものと言えば、最初にも書いたように講談社学術文庫や現代新書にあるものを思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、講談社文庫にも中国ものはあります。
パッと思いつくのは陳舜臣「中国の歴史」だと思いますが、かつては上の写真のように講談社文庫に中国古典の翻訳が入っていました。この三つ、現在は在庫切れですよね?