創業と守成、いずれが難きや?

近々配本予定の新刊『オスマン帝国の崩壊』です。「オスマン帝国」なんて聞くと、歴史の彼方のような印象を受ける方も多いと思いますが、クリミア戦争とか第一次世界大戦のころまで存続していたと聞けば、「意外と最近まであったのね」と思えないでしょうか?

そんな新刊と似たようなタイトルの本が、あたしの勤務先にはなぜか多いです。なので並べてみました。古代ローマやビザンツ帝国など、人って、やはり生まれてくる過程より、滅びていく過程の方に関心があるのでしょうか?

さて、このダイアリーのタイトルは、『貞観政要』で有名な唐の太宗と重臣たちとの間で交された言葉です。太宗は「王朝を創業するという困難は既に過ぎ去ったことだから、これから皆と力を合わせ、この王朝を維持していくことに力を注ごう」と述べたそうです。これが名君たる所以でしょうか?

「歴史を鑑とする」といった場合も、崩壊過程を吟味することで、みずからは崩壊しないようにと心がけるものではないでしょうか。「成功の本質」では売れません、必要なのは「失敗の本質」なんですね!

この三冊を見て、あとはどうでしょう? 「中華帝国の崩壊」なんてあればよいでしょうか?