あたしが轢いたわけではないけれど……

中央線の人身事故など東京に暮らしていれば日常茶飯事、ではありますが、久々に巻き込まれました。

いつものように国分寺から乗車、種別は中央特快です。なので、三鷹、中野、新宿、四ッ谷、そして御茶の水と、停車駅が少ないのが魅力です。ですから、朝早い時間とはいえ、それなりに混雑していて座れることはほぼありません。それでも、本を読むくらいの隙間は十分にありますので、あたしは毎朝これで通っているわけです。

国分寺の次は武蔵小金井です。もちろん特快は通過する駅ですが、今日に限って武蔵小金井を通過する直前に急ブレーキがかかりました。そして電車は武蔵小金井のホームに少しずれる形で停車しました。

すぐに放送が入り、人身事故、それもあたしが乗っていた、この特快が武蔵小金井で人身事故を起こしたのだそうです。ホームの橋を歩いていた人と接触したのか、それとも投身自殺だったのか、詳しい情報は入ってきません。ホームに入る前に急ブレーキをかけたくらいですから、線路に横たわっている人でもいたのでしょうか?

とにかく、いろいろあって電車は動きません。ホームの所定の場所に停まっていないので、ドアも開けてもらえず、2車両ほど手動でドアを開け、降りたい人や具合の悪くなった方は降りてください、という車内放送。しかし、10両編成の中央線で、開いているドアが2車両だけでは動きようもありません。

あたしの乗っていた車両では、何人かの人が開いているドアの車両へ移動していきましたが、ほとんどがそのまま辛抱してました、そのうち、復旧までに30分から40分はかかるという放送。「あ~あ」という音の出ないため息というか声が社内に満ちている感じがしました。

じきに、救護活動のためにパンダグラフを下げなければならないので、車内の電灯と空調を消します、というアナウンス。こんどは暑さとの闘いです。早朝なので真昼の暑さこそないものの、函の中に大勢の人です。窓を開けたって涼しくなるはずもありません。

この状態が20分か30分は続いたでしょうか、ようやく電気が付き、空調も動き出し、電車はちょっとだけ動いて武蔵小金井の所定の位置に停車し直しました。ドアが開き、ホームで待たされていた人が乗り込んできました。ここからは特快ではなく、快速としての運転再開です。

1時間15分くらいの遅れでしょうか? とにかく肉体的ではなく、精神的に疲れた朝でした。

で、人身事故を起こした人はどうなったのでしょう?