もう少しゾクッとしたい!

とうとう猛暑日ですね。こんな日はクーラーの効いた部屋で映画鑑賞といきたいところですが、さすがクーラーは気が引けたので、扇風機で我慢、我慢。鑑賞したのはこちら、「人狼村 史上最悪の田舎」と「アイデンティティー」です。

前者は、売れない青年作家が故郷から名誉村民に評されたという連絡を受け、十数年ぶりに故郷を訪れ、そこで100年間伝えられてきた狼男の呪いに遭遇するという物語。はっきり言って、ホラーというよりもコメディーです。こんな非常事態にどうしてあんな大声で騒げるのか、どうしてくだらないケンカをしていられるのか、突っ込みどころ満載です。

後者は、豪雨で動けなくなり、場末のモーテルに足止めを食うことになった男女が何者かによって次々に殺されていくというもの。

たぶん、このモーテルでの連続殺人だけを見せられたとしたら、いったい誰が犯人なのかわからなくなると思います。途中に、もう一つのストーリーとして、連続殺人犯が実は多重人格者で、明日の死刑執行を停止すべきか否か、もう一度審理する話が挟み込まれます。これで、たぶん勘のよい人であれば、モーテルでの事件は多重人格者の妄想に過ぎない、架空の話だということに気づいたのではないでしょうか?

ただ、一応、モーテルの殺人事件は、その登場人物が全員、多重人格者に宿っている人格であるとはいえ、どの人物が真犯人なのか最後の最後に明かされます。えっ、と意表を突く真犯人ではありましたが、多少手の内を見せられても、ちょっと無理でしょ、いくらなんでもそこまでは出来ないだろうという矛盾、ストーリーの破綻はあります。

それでも、よくできた作品ではないでしょうか? 個人的には一年ほど前に見た「ザ・ウォード 監禁病棟」と似たようなストーリーだなあと思いましたが、たぶんこちらの方が古い(早い)んですよね?

多重人格ものって、そもそもが矛盾に満ちているので、殺人事件などもところどころかなり無理があるのは仕方ないのでしょうか?