本としての『起きようとしない男』は、表題作を含む短篇集です。表題作「起きようとしない男」はその最初に掲げられた作品です。
ストーリーはタイトルどおり、朝、ベッドから起き出すのがイヤでイヤでたまらない男が主人公で、彼には奥さんも子供もいますが、そんな家庭の大黒柱としての立場はうっちゃって、とにかくベッドからでようとせず、ついにはベッドに居続けることを決意した男の話です。そんなことをしたらどうなるかは実際に本作を読んでいただくとして、本作にインスピレーションを受けた、ベッドともイスとも言えない作品が実際にあるそうで、その写真と作者による文章が本作には収録されています。
そのベッドともイスともつかない家具(?)の写真ですが、本作では縦向きに置かれた写真が載っています。果たしてこんな状態で使うのか、いや、これは横向きで使うはずだろうと自分なりに考えていたのですが、ネットをググってみたら簡単に解決しました。
その作品を紹介したページがあったのです。上の画像はそのページに載っていたものです。やはり横に寝かせて使うようですね。穴から顔をのぞかせて、下に置いた本を読んだり、書き物をしたりという使い方をするようです。
果たしてこのベッドなのかイスなのかわからない家具に寝たら寝やすいのか、起きたくない人にうってつけなのか、それはわかりませんが、まあフィクションから生まれた実際のものということで興味深いです。
で、話は小説に戻りますが、寒い日に布団から出たくないというのは誰でも同じだと思います。あたしなど冬でも4時前に起きているので、その寒さたるやかなりのものです。それでも結局は起きなければならない、仕事に行かなければならない、そんなわけですから「イヤなことはサッサと済ませよう」という考えが勝り、あたしは冬だろうとサッと起きられます。いや、起きてしまう、と言った方が正確かもしれません。
朝の番組を担当しているカワイイ女子アナたちだって、4時からの本番に備えてもっと早い時間からスタンバイしているわけですから、あたしが4時前に起きるくらいどうということはありません。
あたしの場合、「起きようとしない」のはむしろ晩です。
朝は3時半すぎくらいから起きているので、必然的に夜は早くなります。だいたい夜のイベントなどがなければ、8時半くらいには布団に入ってしまいます。しばらくは本を読んでいるので、すぐに寝てしまうわけではありませんが、時には8時すぎに寝床に入り、本を読み始めるものの睡魔が襲ってきて、8時半ころには寝入ってしまっていることもしばしばです。
そうなると、もう夜中にトイレに起きるとか、そんなことでもない限り起きようとは思いません。電話が鳴っても出ません。PCも寝床へ入る前にシャットダウンしているので、メールも明日の朝までノーチェックです。
そんなわが家ですが、数日前のこと、朝刊を取りに郵便受けを開けると、宅配便の不在通知が入っていました。見てみると前の晩の8時半ころに配達があったようです。
そういえば、本を読んでいたときにドアチャイムが鳴ったような気がしましたが、隣の家かどこかだと思って出なかったのを思い出しました。あれって、わが家へ来た荷物だったのですね。その日は、母も既に寝床に入っていたので、起きることはせず、8時半の時点でわが家は寝静まっていたというわけです。