若者を振り向かせる?

今日も朝日新聞に岩波文庫の記事が載っていました。

今回のテーマは、若者をどう取り込むか、ということでしょうか? ただ、記事を読む限り、岩波文庫はそんなことを意識して何かをしたわけではないようですね。むしろ愚直に、最初の方針のまま刊行を続けていた、という感じです。

結果的に、それが長く愛された理由、廃れない寂れない秘訣なのかもしれません。そういえば、これは以前に書いたかもしれませんが、ずいぶん前のことですが、中央線にいかにもイマドキの若者という風体の青年が乗ってきたことがありました。刺青はしていなかったと思いますが、耳にピアスくらいはしていたのではなかったかと記憶しています。服装も大人の目から見ると「だらしない」と言われそうな格好でした。

そんな若者が乗ってきて、電車が走り始めたと思ったらカバンだったかポケットだったか覚えていませんが、とにかくおもむろに本を取り出して読み始めたのです。その本というのが岩波文庫でした。青か白だったはずです。

あたしはその光景を見て格好いいと感じると共に、見かけで判断した自分の不明を恥じました。岩波文庫というと、あたしはこの体験を思い出します。