ライト/オフ

録画しておいた「ライト/オフ」を視聴。

原題は「Lights out」と言うようですね。日本語読みで「ライツアウト」だとわかりにくいでしょうか? 一言で言ってしまうと、電気を消すと化け物が現われて襲ってくる、というお話です。

 

まずはお父さんが職場でやられてしまい、お母さんと幼い息子が残ります。お父さんは生前、何かを調べているようでした。次に、この残されたお母さんの様子がおかしい、どうも精神を病んでいる感じが描かれます。そして怯える息子。そんな弟を助けようとする家出中(とはいえ、それなりに大人?)の姉。この姉は前夫との間の娘で、弟は映画冒頭で亡くなった夫との間の子供らしいです。

姉が継父の遺品を整理していると精神病院の資料などが入った箱を見つけます。そこには自分の母親がかつて精神病院に入院していたこと、そこで出逢った奇病を患う少女と親しくしていたものの、その少女はある実験で亡くなってしまったことがわかりました。どうやらその亡くなった少女の悪霊が母親に取り憑いている、というのが一連の事件の真相のようです。

さて、この手のディテールの映画はこれまでにもあったような気がします。最終的には本当に少女の悪霊だった、少女になりすました悪霊だった、実はすべて母親の妄想だった、といった結末が考えられますが、これがよくわかりません。肝心な精神病院のシーンが少なく、そのあたりをストーリー的にも掘り下げていないので、解釈によっては上の三つどれも正解のような気がしますし、それ以外の解釈もありえそうです。

で、弟と母親を守るため恋人と一緒に実家へ戻った姉が悪霊と闘う後半、どうやって助かるのだろうという興味が沸いてきます。精神病院で亡くなった少女は暗い地下室で発見されたためなのか明かりを極度に怖がるという設定です。怖がるから地下室にいたのか、地下室にいたから怖がるようになったのかは不明ですが、とにかく明かりに照らされると姿が消えます。なので姉たちは懐中電灯などで身を守ろうとしますが、こういった映画のお約束、肝心なところで電気が付かなくなります。

となると、闘っているのは夜だから夜が明けてきて太陽の光が差し込んで悪霊は消えてしまうのかな、という往年のドラキュラ映画のような結末を予想しましたが、事態は朝まで待ってくれませんでした。母親が子供たちを守るためにピストルで自殺し、それと共に母親に取り憑いていた少女の悪霊も消えてしまうというエンディングでした。結局、悪霊に支配されている自覚はあった母親が最後は母性に目覚め、必死で悪霊を振り払おうとして、みずからの命を投げ出したという、なんともハートウォーミングな結末でした。

ちなみに、本作はネットで発表されたショートフィルムをベースに長篇劇場映画に仕立てたもののようで、オリジナルが上の動画だそうです。