上野の山は心地よく……

よく晴れた午後、2時すぎに会社を早退し上野へ。目指すは東京都美術館、始まったばかりの「バベルの塔」展です。平日の午後ということで、ガラガラというほど空いているわけではありませんが、ほとんど混雑らしい混雑もなく、作品を十二分に堪能できました。あえて言うなら、音声ガイドのある作品の前は、聞きながら鑑賞する人がたまっていて見づらかったかな、というくらいです。

展覧会自体は、都美の3フロアを使ってものでしたが、疲れるほどの広さではなく、これくらいがちょうどいいな、という感じでした。見ていて非常に面白い作品が多かったので、飽きずに見て回れました。

そして、肝心の目玉、バベルの塔ですが、あたしはもちろん初めて見ますが、あの程度の大きさだったのか、とちょっとガッカリでした。いえ、作品は素晴らしいものでしたよ。ただ、ポスターとか、あの作品のために使われた展示室の広さを考えると、「えっ、これがバベルの塔の本物なんですか?」と思わず言いたくなってしまう大きさでした。あたしは、展示室に入ったら見上げるような大きなものを期待していたので……

まあ、こちらの勝手な知識不足が招いたものではありますが、このガッカリ感、速水御舟の「炎舞」を見たときのガッカリ感にも通じるものです。ただ、だからといって「炎舞」も、今日の「バベルの塔」もあたしの中で価値が減じたかと言えば、そんなことは全くありません。やはり心に響くものは大きかったです。

なので、「あら、こんな大きさだったのか」というのは不満ではありません。ただし、今回の展覧会で会えて不満を述べるとするならミュージアムショップです。

あたしが、いろいろなネクタイを買い集めているのは、このダイアリーをご覧になっている方ならご存じだと思います。そして、今回のバベルの塔です。当然のことながら、バベルの塔の図柄のネクタイが売ってないか期待して行ったわけです。しかし、ミュージアムショップのどこを見ても、ネクタイなんてありません。タオルにTシャツといった、どの展覧会でも定番のグッズは売っていましたが、あたしにとっても最も肝心なネクタイはありません。

バベルの塔ですよ? この図柄を使ったネクタイ、誰だって思いつきそうじゃないですか? なんで、作らないのでしょう? あたしには理由がわかりません。

その代わりと言ってはなんですが、トートバッグが売られていました。バベルの塔でトートバッグって、ダジャレなのでしょうか? と言いつつ、あたしはネクタイが買えない腹いせにTシャツをトートバッグを買ってしまいましたが……(汗)

あと、最近は展覧会へ行くと図録だけでなく絵はがきやマグネットをよく買うのですが、マグネットにもバベルの塔の図柄はありませんでした。今回の展覧会の目玉作品のマグネットがないなんて……

ということで、チケットがもう一枚あるので(誰かを誘おうかと思って、前売りペアチケットを買ったのですが、案の定、誘う相手がいませんでした……涙)、会期中にできればもう一回行ってこようと思っています。