書店店頭にこんな本が並んでいました。
『井上ひさしから、娘へ 57通の往復書簡』です。
内容は読まなくてもわかる、タイトルそのままですね。ところで井上ひさしさんの手紙と言えば、こんな本を忘れてもらっては困ります。
前者の副題は「「東京裁判三部作」のできるまで」、後者の副題は「『紙屋町さくらホテル』『箱根強羅ホテル』のできるまで」で、井上さんと劇場関係者との間のやりとりから、作品が出来上がるまでを追ったものです。
それにしても、手紙だからこそこうして残るし、このようにまとめて出版するということもできるわけですが、これからの時代、こんなやりとりはメールになってしまうのでしょうから、「本にする」「出版する」なんて夢のまた夢なのでしょうか?
それでもメールであれば、パソコンの中の受信箱・送信箱からコピペして、それなりの組み方をすれば本に仕立てることはできるかも知れません。もちろん、所詮はメールですから、内容が読むに耐えるものであるかは保証の限りではありませんが。
ただ、メールならまだ出来そうだと思うのですが、今の時代、更に進んでLINEですよね? そんなの本になるのでしょうか? そもそもどの程度スマホに保存されているのでしょうか?
と考えていたら、かつて映画化もされた『電車男』って、こういうタイプの作品だったのではないかと思い出しました。
違いましたっけ? 確かに一つの時代を象徴する作品ではあったかもしれませんが、読み物としては井上さんとは比較にならないですね。