なにかズレているような気がするのはあたしだけ?

昨日の朝日新聞夕刊の社会面に載っていました。

今年は年末年始にも取次の配送業務があって、新刊が書店店頭に並ぶのだそうです。記事の中にある

書店からは「この時期ほかのお店では福袋などでお客を呼び込むのに、品ぞろえが変わらないのは書店だけだ」と、本を手に取りやすい正月休みに新刊を求める声が上がっていた

という部分が気になります。前提として15年の正月発売した文春がよく売れたということですが、「問題はそういうことなのかな?」という気がします。

「品そろえが変わらない」とありますが、本屋って他のどんなお店よりも多種多様な商品が並んでいるものだと思います。品揃えが変わらないなんて言ってないで、もっと並べ方を工夫するとか、棚差しになっていた本を目立つところに持ってくるとか、やりようはいくらでもあると思います。単に新刊を増やしただけでは、問題の本質的な解決にはならないのではないか、どこの業界で飯を食べているあたしが言っても説得力がありませんし、天に唾する感じですが……

そもそも年末年始にららぽーとのようなショッピングモールに出かけて感じるのは、「品ぞろえが変わらないのは書店だけ」ということではなく、「割引きセールをやっていないのは書店だけ」ということです。

業界人という立場を離れ、一般の消費者、一人の客として眺めたときに、あれだけどの店もセール、セールと大売り出しをしている中で、1円たりとも割引販売をしていない書店の違和感、不自然さは際立っています。やれ再販制がどうの、出版は文化だ、などと言われますが、そんなのは消費者にとってはどうでもよいことで、年末年始のショッピングモールで客観的に売り場を眺めれば、「この業界おかしい、ヘンだ」と思う方が自然なのではないでしょうか?